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魚類レンサ球菌の発症および薬剤耐性に及ぼす養殖環境の実態把握に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K21238
補助金の研究課題番号 21H02287 (2021-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2021-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分40040:水圏生命科学関連
研究機関宮崎大学

研究代表者

吉田 照豊  宮崎大学, 農学部, 教授 (20240294)

研究分担者 野本 竜平  神戸市健康科学研究所, 感染症部, 副部長 (60642238)
鈴木 祥広  宮崎大学, 工学部, 教授 (90264366)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
キーワードLactococcus garvieae / Drug Resistance / Yellowtail / erythromycin / ブリ類 / 養殖 / 薬剤耐性 / erm(B) / Rプラスミド / ブリ / レンサ球菌 / lsa(D) / Lactococcus / garvieae / 新型レンサ / 養殖場 / 診断
研究開始時の研究の概要

1:養殖環境水より分離した、腸球菌の薬剤耐性をMICを測定し調査する。また、特にエリスロマイシン耐性菌であれば、filter-mating法により耐性遺伝子が伝達されるのかを明らかにする。
また、耐性が伝達されるのであれば、ゲノム解析を行いその耐性遺伝子を養殖環境の病原細菌と比較する。
2:ブリ類のレンサ球菌のI型、II型及びIII型間での薬剤耐性プラスミドの伝達頻度を明らかにする。

研究実績の概要

1:ブリ類養殖場で流行しているレンサ球菌の最新流行株を、2022年度に引き続き2023年度もサンプリングを継続した。また、本研究で開発したレンサ球菌の各血清型を識別できるmPCR系で、流行株の血清型を明らかにした。その結果、カンパチ、シマアジにおいてレンサ球菌の新しい血清型のLactococcus garvieaeがブリ類、シマアジ養殖場において2021年から流行していることを明らかにした。さらに、この新しい血清型の新興レンサ球菌は、2023年には全国の多くの養殖場に拡大していることが確認された。またこれら新興レンサ球菌の遺伝子型解析の結果、異なる遺伝型(3種)が流行していることを示し、いくつかのルートで拡散していることを示した。
2:養殖場で分離されたレンサ球菌の薬剤耐性試験を行った。その結果、新たな養殖場においてII型レンサ球菌のエリスロマイシン耐性株が分離された。養殖場にエリスロマイシン耐性株の拡散が明らかとなった。また、新興レンサ球菌は、エリスロマイシンにまだ耐性化しておらず感受性のままであった。
3:II型レンサ球菌のエリスロマイシン耐性は、プラスミドにコードされており耐性遺伝子はermBであった。プラスミドのゲノム解析から同じあるいは非常に類似したR-プラスミド(ermBを保有)を保有する菌株が全国に拡大していることを明らかにした。また、これらレンサ球菌は、海水中で非常に長期に生存し、有機物が存在するとさらに生存が長くなることを示した。
4:エリスロマイシン耐性をコードするプラスミドは、伝達性でII型菌株間では高い伝達性を示した。
5:養殖場環境水からの腸球菌を分離し、EM耐性菌を分離した。現在は、そのプラスミドを解析している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理由
今年度予定している主な研究課題である、レンサ球菌の海水での生存性、ブリ類養殖場から腸球菌の分離を試みた。海水での生存性は長く養殖環境水から、薬剤耐性を保有する腸球菌を分離することができた。さらに、一部のエリスロマイシン耐性は、ermBを保有していた。さらに、新たに出現した新興レンサ球菌のブリ類養殖場で広がりを明らかにした。今後は、これら腸球菌と養殖場で分類されるレンサ球菌の薬剤耐性を分子レベルで明らかにするとともに、新興レンサ球菌の疫学調査を継続する。現状、上記の理由から概ね進んでいると判断する。

今後の研究の推進方策

1; 最終年度は、養殖場環境水からEM(エリスロマイシン)耐性腸球菌を分離する。分離された腸球菌の耐性マーカーを調べる。その耐性遺伝子がプラスミドにコードされているのか明らかにする。また、EM耐性が耐性遺伝子であるermBであるのかを確認する。さらに、R-plasmidであるのであれば、全塩基配列を決定する。
2; これら耐性遺伝子が、養殖場で流行しているブリ類のレンサ球菌の耐性プラスミドと同一であるのかを明らかにする。また、全塩基配列を比較解析する。
3;養殖環境水から分離されるエリスロマイシン耐性腸球菌の耐性遺伝子がブリ類レンサ球菌に移動伝達するのかを明らかにする。また、伝達するのであれば、その伝達頻度を明らかにする。ブリ類レンサ球菌間及び腸球菌ーレンサ球菌間での伝達頻度と比較する。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Resistance and genomic characterization of a plasmid pkh2101 harbouring erm(B) isolated from emerging fish pathogen Lactococcus garvieae serotype II in Japan2023

    • 著者名/発表者名
      Muhammad Akmal, Mami Akatsuka, Issei Nishiki, Terutoyo Yoshida
    • 雑誌名

      Journal of Fish Diseases

      巻: 46 号: 8 ページ: 841-848

    • DOI

      10.1111/jfd.13793

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Complete Genome Sequence of Lactococcus garvieae MS210922A, Isolated from Farmed Greater Amberjack (Seriola dumerili) in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Muhammad Akmala,, Terutoyo Yoshida, Issei Nishiki
    • 雑誌名

      Microbiology Resource Announcements

      巻: 11 号: 12

    • DOI

      10.1128/mra.00890-22

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Complete genome sequence of a novel lytic bacteriophage, PLGII, specific for Lactococcus garvieae serotype II strains that are pathogenic to fish2022

    • 著者名/発表者名
      Muhammad Akmal, Issei Nishiki, Nikita Zrelovs, Terutoyo Yoshida
    • 雑誌名

      Archives of Virology

      巻: 167 号: 11 ページ: 2331-2335

    • DOI

      10.1007/s00705-022-05568-7

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 海面養殖魚から分離した血清型不明Lactococcus garvieaeに関する研究I2022

    • 著者名/発表者名
      俵佑誠・南隆之・西木一生・吉田照豊
    • 学会等名
      令和4年度日本魚病学会春季大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Lactococcus garvieae II型の薬剤感受性に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      Muhammad Akmal・阿部京香・西木一生・吉田照豊
    • 学会等名
      令和4年度日本魚病学会春季大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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