研究課題/領域番号 |
23K21254
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補助金の研究課題番号 |
21H02332 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
上田 晃弘 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (10578248)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 植物生育促進微生物 / 植物-微生物間接的相互作用 / 揮発性物質 / 植物生育抑制微生物 / 植物ー微生物間接的相互作用 / 植物ー微生物相互作用 / ケミカルコミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では植物―微生物間のケミカルコミュニケーションツールである微生物由来の揮発性物質(microbial Volatile Organic Compound, mVOC)の同定により、植物―微生物間接的相互作用の理解を試みる。生態系におけるmVOCが持つ植物生育へのインパクトを明らかにするとともに、mVOCが植物の生育をどのように制御しているのか、その作用機序を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、間接的に植物の生育に影響を与える微生物の選抜およびそれらの微生物から放出される揮発性物質の同定を継続した。固相マイクロ抽出法およびガスクロマトグラフ-質量分析器を用いて同定された多くの揮発性物質は、シロイヌナズナの生育に大きな影響を与えなかったものの、シロイヌナズナの生育を促進する揮発性物質の同定にも成功した。生育促進作用を持つ揮発性物質をシロイヌナズナに作用させると、2週間後のシロイヌナズナの乾物重量は1.5倍以上に増加する。シロイヌナズナの生育促進効果を持つ揮発性物質のいくつかはイネの生育促進にも効果的であることや塩害環境下におけるシロイヌナズナやイネの生育改善にも有効であることが分かってきたことから、植物体内における作用機序は複雑であり、揮発性物質ごとに異なるものであると思われた。生育促進効果を持つ揮発性物質をシロイヌナズナに作用させたところ、ストレス応答遺伝子群とともに器官増大を制御する転写因子の発現が誘導されることが明らかとなってきたことから、シロイヌナズナは微生物由来の揮発性物質を認識し、遺伝子発現を調節した上で生理応答を変化させる機構を有していることを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
間接的に植物の生育を促進する微生物の単離や、それら微生物から放出される揮発性物質の定性分析とともに、植物の生育促進に資する揮発性物質の同定に成功している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに同定してきた植物生育促進能を持つ揮発性物質の定性定量分析を行う。またこれら揮発性物質が植物の生育をどのように促進しているのかの分子機構の解明を行うために、シロイヌナズナやイネを用いたRNA seq解析やイオノーム解析を実施予定である。
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