研究課題/領域番号 |
23K21256
|
補助金の研究課題番号 |
21H02334 (2021-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
平野 展孝 日本大学, 工学部, 教授 (10409089)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | セルロソーム / 相乗効果 / 無細胞蛋白質合成系 / 無細胞蛋白質合成 |
研究開始時の研究の概要 |
植物バイオマス分解酵素複合体(セルロソーム)とは、嫌気性細菌の細胞表層に提示される、多種多様な糖質加水分解酵素が集合した分子量数百万の巨大酵素複合体である。この巨大な酵素複合体の形成によって、多種多様な糖質分解酵素が近接することで、分解活性が大きく上昇することが知られている。本研究では、セルロソーム複合体を試験管内で人工的に再構成することで、様々な酵素組成の複合体を構築し、その分解活性、及び分解産物を解析することで、複合体形成によって分解活性が大きく上昇する仕組みの理解を目指す。
|
研究実績の概要 |
植物バイオマス分解酵素複合体(セルロソーム)とは、嫌気性細菌の細胞表層に提示される多種多様な糖質加水分解酵素が集合した分子量数百万の巨大酵素複合体である。多種多様な糖質分解酵素が骨格蛋白質上に集積・近接化することで、結晶性セルロース分解に対して高い相乗効果を発揮することが知られている。本研究では、セルロソーム複合体内において酵素が近接した際に生じる相乗効果の学術的理解を目指す。好熱嫌気性細菌由来セルロソームによる結晶性セルロースの効率的分解に必要最小限な酵素因子を用いて、様々な酵素組成のセルロソーム複合体の試験管内再構成を行い、結晶性セルロース分解活性を指標とした体系的な相乗効果解析、及び、セルロソーム複合体によって生じる結晶性セルロース分解産物の解析から、相乗効果の作用機序の解明を試みる。令和4年度は、好熱嫌気性細菌Clostridium thermocellumセルロソームの結晶性セルロースの効率的分解に大きく寄与している酵素因子を対象に、基質結合ドメインと触媒ドメインをそれぞれ欠損させた変異体を構築した。これらの変異体と結晶性セルロースの効率的分解に必要最小限な酵素因子を用いて複合体の試験管内再構成を行い、結晶性セルロースを基質とした際の酵素活性測定を行った。今後、結晶性セルロースを基質とした際の分解糖の解析を行ってゆく予定である。また、本酵素の生理的機能の確認のため、C. thermocellumを対象に、本酵素の遺伝子破壊株の構築を試みる予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
専門性を有する研究員を雇用して、様々な酵素組成のセルロソーム複合体の試験管内再構成を実施する予定であったが、当初の予定に反して研究員の確保ができず、研究期間を7ヵ月間延長して実施する必要が生じた。研究期間を延長した結果、結晶性セルロースの効率的分解に大きく寄与している酵素因子の変異体の構築と複合体の試験管内再構成、及び、酵素活性測定まで進捗している。
|
今後の研究の推進方策 |
研究期間延長中に専門性を有する研究員を雇用できたため、今後、様々な酵素組成の試験管内再構成セルロソームの結晶性セルロース分解活性・分解産物の解析から、構成因子間で形成される相乗効果ネットワークの解明、構成因子間の反応遂次性の解明、及び、相乗効果の作用機序の解明を試みる予定である。また、本酵素の生理的機能の確認のため、C. thermocellumを対象に、本酵素の遺伝子破壊株の構築を試みる予定である。
|