研究課題/領域番号 |
23K21257
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補助金の研究課題番号 |
21H02335 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
金田 哲 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 上級研究員 (00537920)
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研究分担者 |
池田 紘士 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00508880)
米村 正一郎 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (20354128)
兵藤 不二夫 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (70435535)
舟山 健 秋田県農林水産部(農業試験場、果樹試験場、畜産試験場、水産振興センター及び林業研究研修センター), 果樹試験場, 主任研究員 (70502376)
和穎 朗太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (80456748)
伊藤 通浩 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教 (80711473)
上野 秀人 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (90301324)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | ミミズ / 生態系機能 / 季節消長 / 機能の圃場実証 / 団粒 / 安定同位体 / 生活型 / 年間消長 / 枠試験 / 飼育法の確立 / 無除草 / リンゴ園 / 作物生育 / 群集の年間消長 / 野外実証 / ミミズ年間消長 / 圃場実証 / 高温乾燥耐性 / 群集の季節消長 / ミミズ群集の推定 / 食性解析 / ライシメーター / 生活型の決定 / 年間消長調査 / 団粒形成機能 / 農地 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ミミズを利活用し農薬・化学合成肥料の投入を抑える環境保全型農業の推進に資することを目的としている.作目ごとに形成されうるミミズ群集を圃場試験で推定するとともに,ミミズの生活型毎の季節消長を日本全国調査で推定できるようにする.さらに生活型毎の団粒形成量と団粒の機能を定量的に推定することで,作目毎のミミズの団粒形成量を推定するモデルを開発する.開発した団粒形成量推定モデルの検証を野外圃場実験で行う.これらの研究により,日本全国の農地においてミミズがどの程度活動するかを推定できるようにし,ミミズの活動を見える化する.
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研究実績の概要 |
本研究では,1)各作目でのミミズ群集の推定,2)団粒形成量の推定と団粒機能の解明,3)圃場実証試験の大きく3つのテーマを行うことで研究を進めている.1)各作目でのミミズ群集を推定するテーマでは,初年度に圃場のセッティングを行っており,調査を行うまで管理を継続して行っている.ミミズの年間消長を把握する試験では,広島県庄原市で調査を行った.計画では年4回の調査としていたが,比較的近隣でアクセスしやすいため頻度を高くし合計9回の調査を行い,温度とミミズ群集の関係をより把握できるようにした.2)団粒形成量の推定と団粒機能の解明では,地中生息表層採餌種の飼育法が確立されていないため,再度飼育法の確立をこころみた.土壌生息性ミミズでは実験に用いる個体数を確保出来ていたため,先行して実験土に投入するミミズの重量を変えることで団粒形成量,土壌炭素無機化速度を変える実験を行っていた.その実験土壌の微生物叢分析を行い解析まで行った.3)圃場実証試験は,ミミズによる土壌生態系や作物生育に及ぼす影響を野外で検証するために行っている.横手市に設置した圃場では土壌pHの矯正を行っており,リンゴの生育の経年変化を把握する調査を実施した.善通寺に設置している圃場を継続的に管理した.ただ,カミキリムシの影響と思われるが,1本枯死してしまった.繰り返しが4回と少ないため,1本植えなおす予定である.ミミズの定着による土壌物理性改善効果を把握するために愛媛大学附属農場にプロットを設置している.現在のところミミズの定着が上手くいっていないため,再度ミミズの投入と藁の施用を行った.秋田で無除草がミミズ群集に及ぼす影響を把握し,その内容を日本土壌動物学会で公表した.引き続き論文化を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
善通寺プロットの木が1区食害のため枯れ,再度植えなおした.ミミズの効果は即効性ではないため,土壌調査の時期や生育調査期間を検討する必要がでてきた.DNA解析の器機が無くなったため新たにDNA分析をどのように行うか検討する必要がでてきた.
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今後の研究の推進方策 |
ミミズが土壌特性や植物の生長に及ぼす効果は,影響を検出するまでに時間がかかるため,現在設置しているプロットについては,継続して管理しつつ植物などのモニタリングを行っていく.ミミズの年間消長を把握する調査は次年度は北海道で寒い地域で行う予定である.遠くにあるため,当初の予定通り年4回の調査を行う予定である.現在,農地に優占するミミズの生活型を安定同位体を用いて決定する研究を行っている.昨年度は善通寺市と長崎県口之津で調査を行った.善通寺市では採取したい種が採取できなかったため,次年度再度調査を行う.また広島県庄原市でも行う予定である.団粒の機能を解明する実験を行うには,ミミズを飼育できなければ数を確保することができない.まだ飼育法が確立できていない地中生息表層採餌のミミズの飼育法について,今年度度飼育法の大枠を決めることができた.次年度も継続しミミズが成長を続けられるように改良していく.特に餌の種類を変えることで継続的な成長につながるかを検討する.
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