研究課題/領域番号 |
23K21317
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補助金の研究課題番号 |
21H02497 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
古藤 日子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80583997)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 発生 / 変態 / 社会性 / 社会環境 / 個体発生 / 社会性昆虫 / 発生タイミング / 行動解析 |
研究開始時の研究の概要 |
生物は生態環境において、個体をとりまく複雑かつ多様な環境要因に対して応答し、頑強な個体発生プロセスを経て種を繁栄に導く生態システムを備える。しかしながら、その実態と制御メカニズムについては不明な点が多く残されている。本研究では、個体を取り巻く環境要因として社会環境に着目し、社会性昆虫であるアリを研究材料として、社会環境と個体の発生タイミングの関わりとその制御メカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
生物は個体を取り巻く様々な環境に対して行動や生理状態、さらには発生プロセスをも変化させ、次世代を残すための柔軟な生存適応能力を備える。近年では様々な生物が季節の変化や個体密度、感染や貧栄養など様々な困難な環境を乗り越えるしなやかな発生制御機構を備えることが明らかとなりつつある。また、生物は気象条件のみならず、個体を取り巻く複雑かつ多様な環境要因に対して応答し、発生プロセスを成し遂げる生態システムを備えることが予想される一方、その実態と制御メカニズムについては不明な点が多く残されている。本研究は、社会性昆虫であるアリを研究対象とし、特に社会環境に依存した個体の発生タイミングの関わりとその制御メカニズムの解明を目指し、社会性昆虫が社会環境による発生制御の仕組みを進化させてきたことの生物学的意義を探索し明らかにすることを目指すものである。初年度である2021年度には本研究の基本データとなるアリの幼虫発生プロセスと労働アリの養育行動の記述を行った。特に女王アリと労働アリ、および発生過程にある胚、幼虫、蛹からなるコロニーを正常社会環境とし、個体サイズや頭幅、重量の測定からオオアリ幼虫の発生プロセスの指標を定義し、1齢から4齢(最終齢)へと到るプロセスを体長、頭幅、また特徴的な体毛形状によって定義することに成功した。また発生タイミングを規定することで知られる昆虫のステロイドホルモンの定量実験、及び定量PCRによるその合成酵素の発現解析実験を行い、正常発生タイミングとエクジステロイドの発現にはショウジョウバエ等で知られる発現ピークが複数回出現することを見出した。さらに女王不在環境においては個体発生が遅延することを研究室で維持する2種のアリにおいて共通して見出し、エクジステロイド量の低下を伴う現象であることを明らかにした。次年度以降は社会環境に依存したその制御機構の解明を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究室で維持する2種のアリ(Camponotus fellahおよびCamponotus japonicus)を用いて正常社会環境における幼虫の発生プロセスの記述を完了した。またいずれの種においてもエクジステロイドの正常発生における発現変化を定量することに成功し、さらに発生遅延が観察される女王不在環境においてはエクジステロイドの発現低下を伴うことを明らかにした。以上の進捗は当初の予定通り、おおむね順調に進展しており、次年度以降のメカニズムの解明に移行する。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は発生遅延が起こる状況での、養育にあたる労働アリ、また養育をうける幼虫側それぞれでのエクジステロイドやその合成経路の発現変動を定量的に解析し、さらにエクジステロイドの人為的添加実験や阻害剤投与実験により社会環境に依存した発生制御との連関を解明する実験に取り組む。さらに、労働アリと幼虫の間の養育行動によって譲受される栄養交換液に着目し、ここまでフォーカスをあててきたエクジステロイドに限らず、網羅的に発現変動する因子を同定する実験を行い、候補の同定を目指す。
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