研究課題/領域番号 |
23K21318
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補助金の研究課題番号 |
21H02513 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
木村 成介 京都産業大学, 生命科学部, 教授 (40339122)
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研究分担者 |
朝比奈 雅志 帝京大学, 理工学部, 教授 (00534067)
武田 征士 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (90508053)
工藤 洋 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (10291569)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 再生繁殖芽 / 栄養繁殖 / 新奇器官 / 植物 / 再生 / 水陸両生植物 |
研究開始時の研究の概要 |
北米原産の水陸両生植物Rorippa aquaticaは、有性生殖能を失っており、茎生葉からの個体再生による栄養繁殖に依存している。最近、この植物の茎生葉に栄養繁殖のための特別な器官「再生繁殖芽」を持つことを発見した。この器官は、他の植物にはない新奇なもので、水環境への適応によって進化した可能性がある。本研究では、再生繁殖芽の発生メカニズムや進化的背景の分子基盤を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、水陸両生植物のRorippa aquaticaで発見された、栄養繁殖に関わる新奇器官「再生繁殖芽」の発生メカニズムや進化的背景の分子基盤を明らかにすることを目的として研究を進めている。令和5年度においては、以下の研究を進めた。 (1) 再生繁殖芽と離層の形成を司る遺伝子制御ネットワークの解明:再生繁殖芽の発生と離層形成のメカニズムを明らかにするため、トランスクリプトーム解析をすすめる準備を行った。前年度までの形態学的な観察から、再生繁殖芽が形成される位置やタイミングは明らかにしていた。再生繁殖芽が形成された直後のトランスクリプトーム解析をおこなったところ、STMやCUCなどの分裂組織の維持や器官形成に関わる遺伝子が発現していた。そこで、再生繁殖芽の形成初期において形成部位特異的なトランスクリプトーム解析を行うために、レーザーマイクロダイセクションを実施するための組織の採取法の検討などを開始した。 (2) 植物における再生繁殖芽の存在の普遍性の調査:これまで、R. aquatica以外に再生繁殖芽を持つ植物は見つかってなかったので、再生繁殖芽の存在の普遍性を調査した。昨年度までに、日本において入手が可能なイヌガラシ属植物やタネツケバナ属の植物(イヌガラシ、スカシタゴボウ、クレソンなど)の調査を終えていた。そこで、今年度は、イギリスとの共同研究により、キュー植物園等で入手可能なアブラナ科植物について同様の調査を行ったが、再生繁殖芽を持つ植物は見つらなかった。R. aquaticaと近縁の水陸両生植物のR. amphibiaも持っていないことから、再生繁殖芽は珍しい新奇器官であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目(1) の「再生繁殖芽と離層の形成を司る遺伝子制御ネットワークの解明」については、初期的なトランスクリプトーム解析を行うことができた。しかしながら、レーザーマイクロダイセクションを実施するには至らなかったので、今後できるだけ早く試料の採取条件等を確立し、再生繁殖芽の形成初期におけるトランスクリプトーム解析を実施したい。また、研究項目(2)の「植物における再生繁殖芽の存在の普遍性の調査」については、計画当初の目的を完了することができた。以上のことから、本研究は概ね計画通り、かつ、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度については、これまでに実施した研究項目について引き続き取り組むとともに、研究成果を学会発表や学術論文として発表する。昨年度からは、本研究の成果を学会で発表しており、高い評価を得られただけでなく、有益なフィードバックも受けることができた。これらも参考にしながら研究を進め、引き続き学会で研究成果を積極的に発信するとともに、年度の後半には学術論文の執筆を完了させて投稿することを目指す。
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