研究課題/領域番号 |
23K21325
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補助金の研究課題番号 |
21H02533 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45010:遺伝学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
木村 幸太郎 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (20370116)
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研究分担者 |
佐久間 拓人 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20753627)
加藤 昇平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70311032)
疋田 貴俊 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (70421378)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | ドーパミン / イメージング / 学習 / 記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
調節性神経伝達物質ドーパミンは、動物の報酬・認知・情動・学習といった高次脳機能を制御するがその詳細は不明である。これまでに我々は、線虫C. エレガンスの忌避匂い学習がタイプの異なる複数のドーパミン受容体によって制御されることを見出した。しかしそのメカニズムは全く明らかになっていない。 本研究では、先端的な分子遺伝学的技術・光学技術・データ科学的解析を組み合せることで、C. エレガンスで複数タイプのドーパミン受容体がひとつの「学習」を実現するメカニズムを解明する。さらに、マウスでの相同遺伝子解析により、新しいタイプのドーパミン受容体が高等動物においても重要な脳機能に関与するか否かを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、先端的な分子遺伝学的技術・光学技術・データ科学的解析を組み合せることで、C. エレガンスで複数タイプのドーパミン受容体がひとつの「学習」を実現するメカニズムを解明すること、さらにマウスでの相同遺伝子解析により、新しいタイプのドーパミン受容体が高等動物においても重要な脳機能に関与するか否かを明らかにすることをめざしている。R5年度の研究実績の概要は以下である。 [1] 分子遺伝学的解析による新しいタイプのドーパミン受容体の機能細胞の同定:2022年度は、新タイプドーパミン受容体変異体がどの神経細胞でcDNAを発現することで忌避匂い学習異常を回復するかについての解析を開始した。2023年度は、cDNAを発現させることで個体としての表現型が回復する神経細胞グループを複数明らかにした。 [2] カルシウムイメージングによる学習前後の全脳神経活動の計測と、情報科学的解析による学習依存的な神経活動の抽出:2022年度は新たにイメージング用の形質転換株を作り直したことで、期待された神経活動が得られ、これまでに学習あり/無しの条件で全脳神経活動を取得した。2023年度は、さらに多色蛍光による細胞同定技術 (NeuroPAL; Yemini et al., Cell 2021) と全脳活動計測を統合することで、忌避匂いに応答する神経細胞を同定するための予備的なデータを取得した。 [3] 哺乳類での新しいタイプのドーパミン受容体の解析:2022年度にAlphaFold2を用いた立体構造によって、ドーパミン結合に重要なアミノ酸残基の推定を開始し、2023年度には数個のアミノ酸残基に絞り込むことに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
[1] 分子遺伝学的解析による新しいタイプのドーパミン受容体の機能細胞の同定:順調に進行している。
[2] カルシウムイメージングによる学習前後の全脳神経活動の計測と、情報科学的解析による学習依存的な神経活動の抽出:全脳活動計測に関しては、手動で行っていた時間のかかるステップを半自動化することによって作業効率を数倍に向上させることに成功した(投稿準備中)。
[3] 哺乳類での新しいタイプのドーパミン受容体の解析:本研究開始後に人工知能などを用いた立体構造予測を開始したが、順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
[2] カルシウムイメージングによる学習前後の全脳神経活動の計測と、情報科学的解析による学習依存的な神経活動の抽出:学習あり/無しの条件で全脳神経活動計測と多色蛍光による細胞同定を組み合せることで、どの神経細胞に学習依存的変化が生じているかを明らかにする。 [3] 哺乳類での新しいタイプのドーパミン受容体の解析:AlphaFold2などから推定したドーパミン結合に重要なアミノ酸残基をゲノム編集などによって置換し、重要性を実験的に明らかにする。
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