研究課題/領域番号 |
23K21327
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補助金の研究課題番号 |
21H02536 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
牧野 能士 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20443442)
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研究分担者 |
熊野 岳 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (80372605)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 再生 / 高再生能力 / 脱メチル化酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、比較ゲノム解析によりプラナリアなどの再生能力が高い生物だけが持つ遺伝子HRJDを発見し、プラナリアのHRJDの発現を抑制すると再生せずに死亡することを見出した。節足動物にはHRJDが保存されていないと考えられていたが、近年、ウミグモやサソリなどの一部の鋏角類にHRJDが存在していることを突き止めた。本研究では、ウミグモとサソリの胴体切断後の再生過程に関わる遺伝子としてHRJDに着目し、胴体切断前後の遺伝子発現、エピジェネティックな状態を比較し、再生能力が低いと考えられてきた節足動物において、HRJDが生み出す高い再生能力の分子基盤に迫る。
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研究実績の概要 |
節足動物の胴体を切断すると死亡する。ところが、例外的に一部の鋏角類の動物(ウミグモやサソリ)は胴体を切断後も生存が可能であり、ウミグモにおいては胴体切断部位からの再生が可能である。節足動物であるウミグモやサソリが胴体を切断後も生存できるのはなぜだろうか。我々は、比較ゲノム解析によりプラナリアなどの再生能力が高い生物だけが持つ遺伝子HRJDを発見し、プラナリアのHRJDの発現を抑制すると再生せずに死亡することを見出した。節足動物にはHRJDが保存されていないと考えられていたが、近年、ウミグモやサソリなどの一部の鋏角類にHRJDが存在していることを突き止めた。本年度は、ウミグモとサソリの飼育条件の検討と胴体切断後の再生過程の観察および再生過程における遺伝子発現解析の準備を行った。 2021年10月に青森市の浅虫海洋生物学教育研究センターにおいて共同研究者とともにシマウミグモのサンプリングを実施し、100匹程度の個体の採集に成功した。研究室においてシマウミグモの飼育条件の検討を行った結果、人工海水、水温18度、刺胞動物を餌として与えることで研究室での飼育が可能となった。続いて飼育中の複数のシマウミグモの胴体を中央部で切断して経過観察を行った。口の無い胴体下部は切断後しばらくして死亡したが、胴体上部は長期間に渡り生存した。また、胴体上部の切断部分から脚の再生を確認した。 研究室で飼育していた複数のヤエヤマサソリの腸管の通った後腹部を切断し、経過観察を行った。切断により死亡した個体が多かったものの、脱皮後に後腹部を再生する個体を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
R3年度に計画していたウミグモ、サソリの再生過程の観察を実施した。また、サソリの胴体切断前後においてRNAを抽出してRNA-seq解析を行い、予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までに、シマウミグモ、および、ヤエヤマサソリの胴体を切断し、その後の経過を観察した結果、いずれの種においても胴体が再生することを確認した 。本年度は、シマウミグモ、ヤエヤマサソリの胴体切断後の再生過程に再生関連遺伝子HRJDがどのように関わっているか調査するため、遺伝子発現解析を中心とした研究を進める。 (i) 胴体切断前後のRNA-seq解析 (ii) HRJDが発現する組織の特定 (in situ hybridization)
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