研究課題/領域番号 |
23K21339
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補助金の研究課題番号 |
21H02562 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
岡本 朋子 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (50588150)
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研究分担者 |
蘇 智慧 株式会社生命誌研究館, その他部局等, 主任研究員 (40396221)
後藤 龍太郎 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 助教 (50725265)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | キラリティ / 種特異性 / 花の匂い / 送粉共生 / 誘引 / 送粉 / 種分化 / 送粉共生系 / ブレンド |
研究開始時の研究の概要 |
特定の昆虫により花粉が運ばれる植物種が多く存在し、それらは花の匂いで送粉者を誘引する。特異的な送粉者の誘引機構の解明は、植物の種分化機構の解明につながるため、進化・化学生態学的に長く議論されてきたものの解決はされていない。ラン科の一部では新奇な化合物によって、特異的な送粉者を誘引する「プライベートチャンネル」が知られるが、ラン科植物以外で実際に発見された例は非常に少ない。種特異性を決めるメカニズムの解明を目指し、プライベートチャンネルの妥当性の検証とそれに代わる仮説の提唱および検証を行う。種特異性を維持しながら多様化してきたグループにおいて、種分化の際に起きた化学的変化の解明に繋がる。
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研究実績の概要 |
特定の昆虫により花粉が運ばれる植物種が多く存在し、それらは花の匂いで送粉者を誘引する。特異的な送粉者の誘引機構の解明は、植物の種分化機構の解明につながるため、進化・化学生態学的に長く議論されてきたものの解決はされていない。ラン科の一部では新奇な化合物によっ て、特異的な送粉者を誘引する「プライベートチャンネル」が知られるが、ラン科植物以外で実際に発見された例は非常に少ない。本研究では 、種特異性を決めるメカニズムの解明を目指し、プライベートチャンネルの妥当性の検証とそれに代わる仮説(普遍的な化合物のブレンドによる特異的な送粉者の誘引機構)を提唱し、本仮説の検証を行う。仮説の検証のため、イチジク属とカンコノキ属を対象とした花の匂いの解析の後、各化合物に対する昆虫の触角電位反応、選択実験を行うことを目的として行った。本年度は、これまでに捕集を行っていたイチジク属植物を対象に、データ解析を行ったところ、同種内でも個体群ごとに花の匂いが異なること、また送粉者を用いた行動実験により花の匂いが異なる個体群の匂いには誘引されないことが明らかになった。個体群ごとの匂いの違いは、珍奇な化合物等で特徴付けられるものではなく、普遍的に植物で見られる化合物の組成比によってもたらされていた。また、コミカンソウ科のヒラミカンコノキ(Glochidion rubrum)を対象とした研究により、送粉者はいくつかの珍しくない化合物に触角の電位応答を示すこと、またそれらの化合物は授粉の影響を受けて大きく放出量が減少すること、送粉者の活動時間帯に有意に多く放出されることが明らかになった。これらのことから、植物と送粉者の種特異的な関係は、プライベートチャンネルよりも当研究で定めた仮説(ブレンド仮説)によってもたらされていることを示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの影響により、野外調査が困難であるが、データ解析や実験室内でできる実験などを通じて結果が出せた。本年度に稼働開始予定であったGC-EADに関しては、こちらも新型コロナウイルスの影響でドイツより購入(物品の入手)に留まった。
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今後の研究の推進方策 |
来年度以降は、花の匂いの捕集と分析、昆虫を使った行動実験を予定通り進めていきたい。しかしながら、2022年3月よりはじまったアメリカのヘリウム輸出制限の影響を受け、最低でも半年は入手困難な状況が続くと見込まれており、花の匂いの分析とGC-EADの実施が難しいと予想される。そのため、今年度は昆虫を対象とした行動実験を主として進める予定である。
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