研究課題/領域番号 |
23K21348
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補助金の研究課題番号 |
21H02584 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 秋田大学 (2023-2024) 同志社大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
三木 崇史 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10598577)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | シナプス / シナプス小胞 / 神経伝達 / カルシウムチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
シナプスは脳機能の基盤となる素子で、シナプスの機能変化は脳の柔軟性を作り出している。シナプス機能に関わる分子群の研究は進んだが、未だに分子-機能間にはギャップがある。近年、生体分子が集合体(生物学的液相分離した液滴)を形成し、機能を実現することが明らかにされてきた。本研究では、シナプス前部のシナプス小胞・分子群の集合体内外の動態を定量・操作し、シナプス機能との因果を解析することで、分子-機能間ギャップをうめることを目指す。本研究の達成は、脳の柔軟性(恒常性、発達、学習・記憶とその痕跡など)に関わる研究に新たな分子的視点を与えうる。
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研究実績の概要 |
シナプスは脳機能の基盤となる素子で、シナプスの機能変化は脳の柔軟性を作りだしている。シナプス機能に関わる分子群の研究は進んだが、未だに分子-機能間にはギャップがある。近年、生体分子が生物学的液-液相分離することが明らかにされてきた。そこで本研究では、シナプス伝達に関わる分子の液相分離状態を観察し解析することで、分子-機能間ギャップを埋めることを研究目的とした。 まずシナプス小胞の集積に着目した研究を行い、昨年度までに、アクティブゾーン上で局所的に集積するシナプス小胞が、高頻度で持続的なシナプス伝達に重要であることをイメージングと電気生理で明らかにした。また、シナプス小胞の局所的な集積がアクチンフィラメント依存的であることを明らかにした。本年度はこの研究に関連して、アクチンフィラメントとアクティブゾーンやシナプス小胞との位置関係をナノメートルスケールで調べ、アクチンフィラメンがアクティブゾーンやシナプス小胞を囲むように配置していることを見出した。今年度までの実験結果を論文としてまとめ投稿し、現在リバイス中である(Miki et al., PNAS in revision)。 また、エキソサイトーシスに関わるタンパク質の集積に着目した研究も昨年度より行っている。本年度は研究遂行のための技術開発を昨年度に引き続き行った。タンパク質自身が持つ自律的な集積能を調べるため、培養細胞を用いた1分子イメージング法を確立した。昨年度確立したシナプス前部での内在性タンパク質の蛍光イメージング法と合わせて、シナプス前部でのタンパク質の液-液相分離機序に迫るためのin vitro、in vivo実験系を共に確立できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度5月に研究代表者の異動があり、当初予定していた本年度中の論文公表には間に合わなかったが、新たな所属先での研究室の立ち上げが完了し、現在では論文のリバイスを行う準備が整っており論文公表への見通しが立っている。本年度は、当初予定していなかった新たなin vitro実験系の立ち上げを行う事ができ実験データも得られつつあるため、トータルでは研究は順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
論文改訂のための追加実験を行い再投稿し、論文を公表する。また昨年度と本年度確立した実験系を用いてエキソサイトーシス関連分子の液相分離機序について研究を進める。
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