研究課題/領域番号 |
23K21351
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補助金の研究課題番号 |
21H02592 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
日置 寛之 順天堂大学, 医学部, 教授 (00402850)
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研究分担者 |
田中 琢真 滋賀大学, データサイエンス学系, 准教授 (40526224)
古田 貴寛 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60314184)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 神経回路 / シナプス結合則 / 抑制性神経細胞 / 大脳新皮質 / マウス / アデ随伴ウイルスベクター / 組織透明化 / 光電子相関顕微鏡法 |
研究開始時の研究の概要 |
大脳新皮質は比較的均一なカラム構造から構成され、そのカラム構造は皮質全体に一貫した基本単位であると考えられてきた。しかし一方で、各皮質領野の形態学的特性は異なり、大脳新皮質の構造は不均一であるようにも見える。大脳新皮質の構造には真にグランドデザインとでもいうべき構造原理が存在するのだろうか? 高次機能発現や各種神経・精神疾患と深い関連がある抑制性の皮質GABA細胞をターゲットにして、シナプスレベルの空間解像度でGABA細胞が構成する神経回路構造を解析する。そして、GABA細胞ネットワーク構造という観点から大脳新皮質の均一性と不均一性を統べる新規コンセプトの確立を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、高次機能発現や各種神経・精神疾患と深い関連があるGABA細胞に注目し、普遍的な抑制性神経回路と特異的な抑制性神経回路を抽出し、ネットワーク構造という観点から大脳新皮質の均一性と不均一性を統べる新規コンセプトを確立することを目的としている。令和5年度は以下の課題に取り組んだ。 (1) SOM発現細胞への各種シナプス入力解析:S1およびM1において、SOM発現細胞に対する各種シナプス入力を解析した。SOM発現細胞は神経形態によって分類することができ、本研究課題おいても樹状突起と軸索を再構成して形態学的特徴を捉えた上で、シナプス入力パターンの解析を進めている。S1において解析を進めたところ、シナプス入力パターンには部位特異性があることを見出しており、その意義について検討を進めているところである。また、M1など他の領野や、高齢マウスへの適用などの検討を進めた。 (2) M1 PV発現細胞への各種シナプス入力解析:これまでに、皮質からの興奮性入力、視床からの興奮性入力、皮質からの抑制性入力、さらに抑制性入力を細胞種別で解析している。まだn数は十分でないものの、S1とM1でシナプス入力パターンに類似点および相違点があることを見出しており、論文化に向けて解析を進める。また、研究分担者と協同して数理モデル構築も進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アデノ随伴ウイルスベクターを中心とした各種技術開発が進展し、神経ネットワーク構造解析の効率化に成功している。論文化に向けたデータ取得も順調に進んでおり、本研究課題は順調に進んでいると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
大脳新皮質は比較的均一なカラム構造から構成され、そのカラム構造は皮質全体に一貫した基本単位であると考えられてきた。しかし一方で、各皮質領野の層構造や各種神経細胞の分布など形態学的特性は異なり、大脳新皮質の構造は不均一であるようにも見える。大脳新皮質の構造には真にグランドデザインとでもいうべき構造原理が存在するのだろうか?この問いに答えるべく、本研究課題では、皮質GABA細胞が構成する神経回路構造を対象に、① 皮質全体に共通する普遍的な抑制性神経回路と ② 皮質領野毎に異なる特異的な抑制性神経回路を解明する。令和6年度は、以下の研究項目を実施する。 (1) S1 SOM発現細胞への各種シナプス入力解析:形態解析の主要な部分は終了している。論文化に向けてデータ取得を継続する。 (2) M1 SOM発現細胞への各種シナプス入力解析:解析スループットのさらなる効率化を図る。具体的には、神経細胞をより明瞭に標識することで、ソフトウェアを用いた樹状突起と軸索の三次元再構成の効率化を実現する。また、シナプス入力解析については、自動解析の適用を目指した技術開発にも取り組む。これにより、多くのサンプルを高速かつ正確に解析することが可能となる。 (3) M1 PV発現細胞への各種シナプス入力解析:データ取得の大部分は完了している。今後は論文化に向けて、追加データについて検討を進める。
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