研究課題/領域番号 |
23K21358
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補助金の研究課題番号 |
21H02625 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
矢木 宏和 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 准教授 (70565423)
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研究分担者 |
甲賀 大輔 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (30467071)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 糖鎖修飾 / 糖転移酵素 / ゴルジ体 / 糖タンパク質 / 分泌経路 / 糖鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
自然界に存在するタンパク質の半数以上は糖鎖による修飾を受けた糖タンパク質として存在しており、生命現象に深くかかわっている。本研究では、ゴルジ体内における糖転移酵素の局在領域を同定し、基質タンパク質がそれらの領域を適切に通過する選別輸送のメカニズムを解明することにより、糖鎖修飾の制御プログラムの実体を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
超解像顕微鏡を用いてゴルジ体内における糖転移酵素の共局在の度合いを定量的に評価した。その結果、トランスゴルジ槽に局在するとされていた糖転移酵素であっても、詳細に観察するとそれらの分布は有意に異なっていることが明らかとなった。こうした分布の違いは、近接依存性標識を利用して同定した糖転移酵素を取り巻く分子ネットワークの比較からも浮き彫りとなった。さらに本年度は、細胞周期のインディケーターを発現させた細胞を対象に蛍光顕微鏡や電子顕微鏡により観察することで、細胞周期に伴って変化するゴルジ体を捉える基盤技術を整えた。こうした技術を活用し、細胞周期の違いによってゴルジ体内の糖転移酵素の局在がどのように変化しているかを捉えつつある。 さらには、3D-SEM法のプロトコルの最適化を行い、培養動物細胞を対象にしてゴルジリボンの精密な3次元像を構築することに成功している。これを基にゴルジ槽のマーカー分子や糖転移酵素の分布をマッピングするために超解像蛍光顕微鏡と電子顕微鏡の相関計測できる技術基盤を整えた。 また蛍光タンパク質を融合した糖転移酵素をプローブとして、ゴルジ体分画小胞をセルソータで分離することで、これら小胞を対象としたプロテオミクス解析に加え、リピドミクス解析も実施した。これにより、糖転移酵素と局在を共にするタンパク質および脂質を明らかにすることができた。一方、ゴルジ体を薬剤処理などにより断片化することで、様々な糖転移酵素のゴルジ体内の分布を規格定量化することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
超解像顕微鏡および電子顕微鏡を利用した技術基盤の構築に成功し、糖転移酵素の局在を評価することができている。こうした結果の一部は、Microscopy誌に報告した。さらには、ゴルジ体を断片化し、糖転移酵素の近傍分子の同定することにも成功している。以上を鑑みて、当初の計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までに蛍光顕微鏡や電子顕微鏡によって、ゴルジ体における糖転移酵素の局在領域を明らかにしてきた。これまで構築してきた蛍光-電子相関顕微鏡法を活用することで、ゴルジ体の微細形態と糖転移酵素の局在の関係を明らかにすることを試みるとともに、細胞周期に応じて変化する糖転移酵素の局在を明らかにする。 さらには、糖転移酵素の近傍分子に着目し、それらが糖転移酵素の局在を規定する機構をあきらにする。一方で、これまでに、近接依存性標識やゴルジ体小胞分画法により見出してきた、基質タンパク質が細胞ルートで遭遇した分子および糖転移酵素を取り巻く分子に着目して、それらタンパク質の機能解析を引き続き実施する。特にガラクトース転移酵素に結合するパートナータンパク質による基質認識機構に着目して研究を進める。
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