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脂質代謝制御に基づく新規インフルエンザ治療戦略の創製

研究課題

研究課題/領域番号 23K21361
補助金の研究課題番号 21H02629 (2021-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2021-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
研究機関同志社大学

研究代表者

西川 喜代孝  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (40218128)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
キーワードインフルエンザ / リン脂質 / ペプチド / 誘導性アンフィソーム / 感染防御 / アンフィソーム / 脂質代謝 / ヘマグルチニン / LPCAT1 / オートファジー
研究開始時の研究の概要

最近我々は、A型インフルエンザウイルス(IAV)感染に対して防御的に働くautophagy経路が存在すること、本経路ではautophagosomeの一形態であるamphisomeの形成誘導が必須の役割を果たしていること、さらにその形成時にはダイナミックに脂質代謝が変動すること、を見出した。本研究では、脂質代謝制御の観点から本amphisomeの形成機構を分子レベルで解明し、その知見に基づいて一連の新たな創薬標的を同定すること、さらにその制御法を開発することにより、これまでとは全く異なるコンセプトに基づくインフルエンザ治療戦略を一気に展開させることを目的とする。

研究実績の概要

DPPSの産生が抗ウイルス性amphisomeの形成に必須であることの証明
1)PVF-tet処理した細胞を用い、IAV感染に対して産生誘導されるamphisomeを高純度に単離する系の確立を試みた。蛍光標識HAを発現するMDCK細胞を用い、PVF-tet処理後IAV感染させ、細胞をシリンジを用いてマイルドに破砕後、遠心処理によりamphisomeの粗画分を得た。この画分を抗LC3抗体で蛍光標識し、HAの蛍光並びにLC3の蛍光を指標に、FACSを用いてダブルポジティブ画分を分離後最終amphisomeとした。しかしながら、本法では蛍光を持たない脂質画分の持ち込みが多いこと、LC3の蛍光が弱く分画精度に限界があることが判明したことから、密度勾配遠心を用いた分画を検討した。各種オルガネラマーカーを指標に分画条件を決定し、目的とするamphisomeがリソソームマーカーとよく一致すること、その他のオルガネラマーカーとはよく分離できることを見出した。この結果はamphisomeがオートファゴソーム経由で形成されるというこれまでの知見と合致している。現在スケールアップを試みており、その後のFACSによる最終生成に耐えられる画分の取得を目指している。
2)PSS1とLPCAT1の機能的連関の検討。DPPC形成に関わるLPCAT1を高発現させたA549細胞ではamphisomeの形成ならびに抗ウイルス活性が増強する。その一方で、PSS1をKOさせたA549細胞を用いた場合には、LPCAT1を高発現させてもamphisomeの形成ならびに抗ウイルス活性の増強が観察されなくなることを見出した。このことから、LPCAT1によって形成誘導されたDPPCがPSS1によってDPPSに変換されることが、抗ウイルス活性の発現に重要であることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回、密度勾配遠心を用いたamphisome分画法を検討し、目的とするamphisome画分を精度高く分離できる条件を決定できた。このことは質量分析器(MS)を用いたamphisomeの性状解析を進めるにあたり大きな進捗である。また、DPPSの生成はLPCAT1によって形成誘導されたDPPCを介すること、すなわちDPPS合成に至る代謝経路を解明することができた。本知見は、ここで同定した代謝経路を制御できれば新たな創薬に結びつく可能性を示している。

今後の研究の推進方策

今回確立した手法を用いて誘導性amphisomeを調製し、MSを用いた脂質分析のみならず、タンパクの網羅的解析についても推進する。また、当初計画していたが推進が遅れている、1)LPCAT1、PSS1のノックダウンあるいは高発現による各autophagy関連分子の発現変動・活性化への影響、さらに2)PSS1 KOマウスを用いたIAV感染に対する感受性の検討、各種サイトカイン産生に及ぼす効果、についても検討を進める。本検討により、誘導性amphisome 形成の分子機構ならびに新たな感染制御法の確立につながることが期待される。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 抗A型インフルエンザウイルス活性を示す誘導性アンフィソームの形成機構の解明2021

    • 著者名/発表者名
      村上絵理、福田協平、井深健太郎、高橋美帆、柴田剛明、近江純平、可野邦行、河野望、青木淳賢、西川喜代孝
    • 学会等名
      3) 第94回 日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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