研究課題/領域番号 |
23K21363
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補助金の研究課題番号 |
21H02636 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2022-2024) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
淡川 孝義 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (80609834)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 生合成工学 / 医薬品化合物 / 合成生物学 / 酵素工学 / 補酵素 / 二次代謝酵素 / 精密機能解析 / NAD / SAM / 生合成酵素 / 創薬シード |
研究開始時の研究の概要 |
SbzP生成物はNAD類似骨格を持つ。この構造は、NAD結合部に作用して競合阻害する抗腫瘍化合物と類似しており、本化合物についても医薬品活性が期待できる。そこで、下流のアミノアシル基転移反応が進行する様にSbzI, SbzAの酵素反応の基質特異性を改変し、SbzQと共に用いて、アザトリヒドロインダン環を修飾する。天然の基質以外にSbzIに関してはスルホン酸やアミノ酸、SbzAに関しては複数のアミノアシルtRNA合成酵素など非天然型基質の使用を試みる。また、ホモログクラスターより得られた修飾酵素を用いた結晶構造解析とそれに基づく変異酵素反応によって生成物を修飾し、構造多様性の拡大を達成する。
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研究実績の概要 |
天然由来抗がん化合物アルテミシジンの骨格合成に関わる鍵酵素SbzPは、補酵素NADを基質として受け入れる、世界初の新規酵素であり、その触媒メカニズム、基質特異性は、極めて興味深い。また、そのホモログは100を超える微生物に保存されており、それぞれ異なる二次代謝酵素と遺伝子クラスターを組んでおり、その二次代謝生産ポテンシャルは極めて高いと言える。SbzPのクライオ電子顕微鏡解析による構造解析を最適化し、その基質複合体構造を取得し、その構造基盤を明らかにした。さらに変異導入による基質の消費や反応変化をストップトフローやUVスペクトル解析によって検出し、NADを基質として受け入れる酵素の触媒機能の詳細を明らかにしつつある。また、スルホンアミド転移、アミノアシル結合形成に関わるわるGNAT型アシル基転移酵素SbzIのキャリアープロテインとの複合体X線結晶構造に成功し、その機能解明を行っている。また、本生合成機構に存在するデアデノシルリボシル化酵素SbzNHOのアポ体X線結晶構造を取得し、現在、その詳細な機能解明を行っている。さらに、放線菌Streptomyces rishiriensisに存在するacyl-tRNA synthetase様アシル基転移酵素SbzAホモログの活性試験に成功し、本酵素についてX線結晶構造解析、クライオ電子顕微鏡解析による機能解析の条件検討を行っている。現在、他のゲノム中に存在する、SbzP、SbzI、SbzAホモログをコードする遺伝子クラスター異種発現系の構築を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SbzP, SbzA, SbzIそれぞれの酵素の構造解析は進んでおり、順調と言えるが、酵素ホモログの異種発現は思うように進行しておらず、活性化合物の構造多様化、新規化合物の取得には至っておらず、物質生産の観点ではやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
SbzPとそのホモログ、修飾酵素の遺伝子の異種発現にはこれまでとは異なり、より広い遺伝子領域をBACやcosmidベクターを用いて導入を行う。遺伝子の異種発現だけでなく、野生型細菌の遺伝子操作、人工基質、酵素への変異導入によって、遺伝子発現を行い、新たな物質生産系の構築を進める。そのために、CRISPR等迅速な遺伝子配列改変の手法を整える。
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