研究課題/領域番号 |
23K21366
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補助金の研究課題番号 |
21H02640 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
青木 重樹 千葉大学, 大学院薬学研究院, 講師 (30728366)
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研究分担者 |
伊藤 晃成 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (30323405)
中村 亮介 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 室長 (50333357)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | HLA / ヒト白血球抗原 / 特異体質毒性 / 重症薬疹 / 小胞体ストレス / β2ミクログロブリン / ERストレス |
研究開始時の研究の概要 |
免疫系の個人差を生むヒト白血球抗原(HLA)を介した薬物副作用は死に至るリスクもある重篤なものであるが、発症メカニズムは依然として不明である。また、これらの副作用は皮膚を中心に起こりやすい特徴を持つ。我々のこれまでの検討から、特定のHLAを発現させた皮膚構成細胞にリスクとなる薬物を曝露すると、細胞内ストレスが発生することが見出されている。ゆえに、「HLA-薬物相互作用が起点の細胞内ストレスの実態」を明らかとし、その発症機序や組織特異性、免疫活性化とのかかわりを解明する。将来的には、HLA依存的な細胞内ストレスを対象とした副作用予測系の確立を企図している。
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研究実績の概要 |
我々のこれまでの検討から、HLA*57:01を発現するケラチノサイトに皮膚毒性発症の原因となるアバカビルを曝露すると、小胞体ストレス応答が起こり、その小胞体ストレスはHLA遺伝子導入マウスにおける毒性の発現にも関与していることが示唆されている。薬物の曝露によってHLA多型依存的に小胞体ストレスが発生する可能性が見出されたことから、細胞内におけるHLAが免疫活性化に重要な役割を担っていると考えられる。また、HLA-B*57:01を含む複数の毒性リスクHLA分子は、細胞膜上ではなく細胞内、特に小胞体内に蓄積しやすい傾向があることが示唆された。 そこで、細胞内、特に小胞体内でHLAと薬物が相互作用することでストレスが発生している可能性が考えられた。実際に、細胞表面上のHLA*57:01発現を抑制させた状態でアバカビルを曝露させたところ、顕著にHLAに結合していることが示され、HLA-薬物の相互作用は細胞内で既に生じていることが示された。また、ケラチノサイトにおいては、薬物の曝露後速やかにHLAの異常蓄積物と考えられる構造体が細胞内に出現し、ストレスの発生源になっていることが示唆された。それはHLA依存的に起こることから、HLA-薬物の結合が起点となっているに違いない。しかし、なぜそれが特定の細胞種でのみ生じるかといった点には疑問が残っている。また、そこにペプチドが提示されているかについても明らかではないため、今後の詳細な解析が必要である。 さらに、ケラチノサイトにおける小胞体ストレスの下流で、T細胞の遊走亢進が起こることを見出した。それはケラチノサイトから液性因子が放出されて、周囲の免疫環境を変化させていることを意味している。今後、具体的な因子が何かなどの詳細な解析を取り組みたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
なぜ細胞内からストレスが発生するのかといった点に関する分子機序解明が進み、概ね期待通り研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
細胞内のHLAに焦点を当てて、ストレスを発生させる要因を明らかにする。その際には、薬物の結合やペプチドの提示変化など、分子レベルでの解析が必要になってくる。また、このストレスの下流で免疫細胞の遊走性が亢進し、特に小胞体ストレスを緩和させると皮膚組織への免疫細胞の浸潤が抑制されることも見出しているが、そのような免疫亢進を生むファクターは不明である。細胞外に放出されたサイトカインなど考えられるが、未だ実態は明らかとなっておらず、なぜ皮膚組織でそのような免疫応答が生じるかといった組織特異性に踏み込んだ解析を進める。
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