研究課題/領域番号 |
23K21367
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補助金の研究課題番号 |
21H02642 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
森田 真也 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20449870)
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研究分担者 |
杉森 大助 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (40272695)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | リン脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、リン脂質クラス酵素蛍光定量法を用いて、各リン脂質クラスが動脈硬化性疾患(冠動脈疾患・脳梗塞)の危険因子あるいは防御因子としてのバイオマーカーとなるか検証する。さらに、リバーストランスレーショナルリサーチにより、バイオマーカーとして同定された各リン脂質クラスが動脈硬化進行に与える影響を分子レベルで明らかにする
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研究実績の概要 |
両親媒性化合物であるリン脂質は、低密度リポタンパク(LDL)や高密度リポタンパク(HDL)などリポタンパク粒子の表面膜を構成しており、動脈内膜マクロファージが変性リポタンパク粒子を過剰に取り込むことで開始する動脈硬化の進行において重要な働きをしていることが予想される。研究代表者は、これまでに、主要リン脂質クラスに対する高感度・高精度かつハイスループットな酵素蛍光定量法を開発し、様々な研究に応用してきている。本研究では、その定量法を利用し、各リン脂質クラスが動脈硬化性疾患の原因やバイオマーカーとなるか検討する。まず、リン脂質クラス酵素蛍光法について、ヒト血漿から分離したHDL・LDL・超低密度リポタンパク(VLDL)において、主なリン脂質クラスであるホスファチジルコリン(PC)・ホスファチジルエタノールアミン(PE)・スフィンゴミエリン(SM)の定量妥当性を検証した。そして、ヒト血漿から分離した各リポタンパク中のPC・PE・SMの組成比について酵素蛍光定量法で求めた結果、SM/PC比はVLDLと比べてLDLにおいて著しく高くなり、HDLではVLDLとLDLの中間の値となることが示された。一方、PE/PC比に関しては、VLDLからLDLになることで大きく低下し、HDLではその中間であった。このように、リン脂質クラス組成が各リポタンパクで大きく異なることが示され、リポタンパク粒子表面のリン脂質クラス組成変化は各種アポリポタンパクの結合やリパーゼの活性に影響してくることが推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、まず各リン脂質クラス酵素蛍光定量法を、血中濃度測定に応用できるようにすることを目標としている。ヒト血漿から分離した各種リポタンパクに含まれる主なリン脂質クラスの定量について、酵素蛍光法の定量妥当性を検証し、さらに各リポタンパク(HDL・LDL・VLDL)で大きく異なることが明らかとなった。これまでの従来法では測定が困難であったため、各リポタンパク中のリン脂質クラスの役割はほとんど知られていなかったが、本定量法によりリポタンパク中リン脂質クラス組成と動脈硬化性疾患との関わりを明らかにすることが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、各種リポタンパクに含まれる他のリン脂質クラスの定量を可能にしていき、それらのリポタンパク代謝や細胞活動に与える影響について検討する。さらに、リポタンパクや細胞膜のリン脂質クラスと動脈硬化性疾患との関係を調べる。
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