研究課題/領域番号 |
23K21373
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補助金の研究課題番号 |
21H02677 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター (2022-2024) 筑波大学 (2021) |
研究代表者 |
山城 義人 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (70751923)
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研究分担者 |
小林 三紀 (徳岡三紀) 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 非常勤研究員 (90898727)
長山 和亮 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (10359763)
久保田 義顕 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50348687)
山本 希美子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (00323618)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 血管 / メカノトランスダクション / 細胞外マトリクス / Thrombospondin-1 / YAP / 内皮間葉転換 / 血管リモデリング / 低酸素応答 / 低酸素 / 血管狭窄 / 内皮間葉転換(EndMT) / 血管病態 |
研究開始時の研究の概要 |
血管病態発生に起因する根本原理を、細胞外マトリクスを介した血管リモデリング機構の視点から明らかにし、血管壁の恒常性維持と病態形成のメカニズムを理解する。そのため、メカニカルストレス応答を担う細胞外マトリクスTHBS1を介したYAPの制御機構と低酸素応答性の細胞外マトリクスに着眼し、圧負荷や血管狭窄の血管障害マウスモデルを用いて病態形成の分子メカニズムと加齢変化を、組織-細胞-分子レベルで明らかにする。
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研究実績の概要 |
血管壁は様々なメカニカルストレス(血圧や血流による血行力学応力)に晒されながら、血管壁の恒常性を維持しており、その制御機構の破綻が血管病態発症の根本原因ではないかと注目されている。細胞が外力を感知し、応答する仕組み(メカニカルストレス応答)とそのシグナル伝達(メカノトランスダクション) は、細胞接着斑を介して細胞内に伝達されるが、その制御メカニズムの詳細は未だ不明である。本研究は、血管病態発生に起因する根本原理を、メカニカルストレス応答制御の視点から明らかにし、血管壁の恒常性維持と病態形成のメカニズムを理解することを目指す。 本年度は、研究計画(2)に該当する、血管狭窄の分子メカニズムについて重点的に解析を行い、論文成果を公表した。具体的な内容として、レポーターマウスを用いた内皮細胞の系譜解析において、頸動脈狭窄時の新生内膜が内皮細胞の間葉転換(EndMT)に起因することを明らかにした。また、一般的に白血球マーカーとして知られるCD45が一過性に内皮細胞に発現する事を見出した。このCD45陽性のEndMTは、細胞間接着を維持したまま進行する、部分的な内皮間葉転換(Partial EndMT)であることを明らかにした。さらに、CD45陽性のEndMTは、低酸素によって誘導されることも明らかにしており、内皮細胞特異的にHif1aを欠損させると、新生内膜形成を抑制できる事を明らかにしている(Yamashiro. Cardiovasc. Res., 2023)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
内皮細胞の系譜解析により、頸動脈狭窄後の新生内膜が内皮細胞に由来することを明らかにした。CD45誘導の条件(低酸素)や、関連分子を同定し、成果を公表している(Yamashiro et al. Cardiovasc. Res., 2023)。加えて、細胞外マトリクスfibulin-4の内皮細胞の特異的な欠損が内皮間葉転換を促進すること、大動脈弁の肥厚を伴って大動脈瘤の悪化を促進することを報告した(Nguyen et al. JAHA., 2023)。
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今後の研究の推進方策 |
低酸素応答の初期に変化する細胞外マトリクスをすでに同定している。同定した分子のイメージングプローブを作成し、低酸素下でライブ観察したところ、アクチンのラメリポディアやフィロポディアと相互作用する様子を観察している。今後、内皮間葉転換への役割を解析し、病態形成にどのような関わりを示すかを解析し、病態発症の根本原理を明らかにする。
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