研究課題/領域番号 |
23K21395
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補助金の研究課題番号 |
21H02805 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
上田 敬太 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (60573079)
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研究分担者 |
高畑 圭輔 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 脳機能イメージング研究部, 主任研究員 (20645311)
久保田 学 京都大学, 医学研究科, 講師 (30760368)
山内 浩 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40360812)
大石 直也 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40526878)
麻生 俊彦 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 副チームリーダー (50397543)
生方 志浦 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (40738960)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 外傷性脳損傷 / 脳萎縮 / MRI / PET / 神経心理学 / 脳科学 / 神経心理 / 7TMRI |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、外傷性脳損傷後に生じる、行政的に高次脳機能障害と呼ばれる認知機能の障害について、古典的認知機能である記憶や注意などのみならず、情動の変化や睡眠障害、易疲労性などの症状も含めて、その脳基盤を探っていく。脳構造の解析には、7TMRIによる構造画像を用いた体積や白質の走行についての検討(トラクトグラフィー)、functional MRIを用いた機能画像の解析、さらに、慢性期に生じる脳萎縮の機序を探るために、アミロイドおよびタウPETを外傷性脳損傷患者を対象に行い、同時に取得した後遺症についての評価と比較検討することで、脳内基盤を探っていく。
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研究実績の概要 |
本年度も昨年度から継続して、脳画像のデータ収集を行った。対象者は申請者のおこなう脳損傷外来に通院する外傷性脳損傷症例で、研究参加を承諾した症例を対象に、京都大学医学 部附属病院に設置された7TMRIの撮像、および滋賀県立総合病院付属研究所に設置されたPET装置を用いてアミロイド、タウPET画像を取得した。また、参加症例について、急性期の意識障害や受傷機転などの臨床情報、および画像取得時の神経心理学的後遺症、神経学的後遺症、精神医学的後遺症、さらにQOLなどの社会生活状況についての情報を取得した。令和4年度は、7TMRIについてはのべ13名(脳損傷症例のみ)、タウPETについてはのべ15名(うち損傷患者9名、健常者6名)の検査を行った。タウPETについては、研究分担者の高畑の協力のもと、タウの蓄積値の散布図を用い、ピーク値を用いる方法を探索的に行ったが、健常者の場合でもきれいにピーク値が得られない被験者が複数存在吸うため、現在別の方法について検討中である。学会発表は第46回日本高次脳機能障害学会学術総会において「びまん性軸索損傷患者における注意機能障害と注意関連ネットワークの安静時機能的結合性との関連」の演題で発表を行った。また、TBSを用いた白質の4つの指標(FA, MD, AD, RD)を用いて、びまん性軸索損傷と健常者の判別が可能かについて、機械学習を応用した研究を行い、学術誌に報告した。また、びまん性軸索損傷における、慢性期の脳幹体積の低下について検討し、急性期の意識障害の指標との関連とともに学術誌に報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度も、令和3年度に引き続き新型コロナウィルスの蔓延が複数回生じ、行動制限が課される期間が長く生じた。本研究では、アミロイド、タウPETについては滋賀県立総合病院に設置済みのPET装置を用いて行う計画であり、脳損傷患者さんに滋賀県立総合病院まで来ていただく際に、承諾される患者数が制限される、あるいは病院の感染対策上、検査できた時期が限られるなどの問題があり、昨年度よりは改善したものの、MRI,PETともに撮像数として予定に満たない件数になっている。
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今後の研究の推進方策 |
脳幹の体積低下については、すでに検討を終了し、脳幹全体あるいは中脳については、びまん性軸索損傷群で明かな体積低下を認め、報告した。今年度は、中脳を中心とした脳幹の各神経核をROIとして、Tractographyを行い、脳幹損傷が大脳の機能に与える影響について検討を行う。また、同じく脳幹の体積低下について、その睡眠障害への影響についても検討を行う予定としている。また、今後撮像方法についての見直しも行い、ASL法による撮像で、構造的には問題のない脳領域の機能低下を検出できないかについて、今後予備的な検討を始める予定としている。
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