研究課題/領域番号 |
23K21424
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補助金の研究課題番号 |
21H02866 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 利恵 金沢大学, AIホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センター(保), 准教授 (40361985)
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研究分担者 |
井上 大 金沢大学, 附属病院, 講師 (00645129)
松本 勲 金沢大学, 医学系, 教授 (80361989)
大倉 徳幸 金沢大学, 附属病院, 助教 (80397215)
笠原 寿郎 日本医科大学, 医学部, 教授 (30272967)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 肺機能診断 / 深層学習 / 胸部X線動画像 / 予後予測 / 異常検出 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、放射線科領域で得られる画像情報を主軸にした(すなわち画像ベースの)肺機能診断法の確立を目指す。そのために、胸部画像に潜在する肺機能情報の探索と利活用に挑む。具体的には、胸部X線動画像とCT画像を対象に、深層学習を用いて画像特徴を網羅的に抽出し、他の臨床情報と統合的に扱うことで、肺機能推定・異常検出・予後予測モデルの構築と評価を行う。本研究の成果として、画像検査(すなわち非経口)での肺機能評価や予後予測が可能になり、感染症(疑いを含む)患者の肺機能評価の実現や、適切な治療法の選択による重症化の未然防止など、呼吸器診療の質の向上が期待される。
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研究実績の概要 |
肺機能障害の有無や重篤度は呼吸機能検査によって診断されているが、感染リスクを考慮して実施できないことがある。新型コロナウイルス感染症の世界的流行を背景に、非経口で実施可能な画像ベースの肺機能診断法の開発が望まれる。しかし、胸部画像が内包する肺機能情報は膨大なため、肉眼での評価や従来の定量解析で理解するには限界がある。そこで本研究では、独自構築したマルチモダリティ・大規模データベースと4DCTシミュレーション技術を用いて、画像特徴に基づく肺機能推定(STEP1~STEP3)、異常検出(STEP4)、予後予測(STEP5)を行い、画像情報を主軸にした包括的な肺機能診断法の確立を目指す。2022年度は以下に示すSTEP2,3に取り組んだ。 STEP2:CT画像の画像特徴に基づく肺機能推定 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に[入力データ:CT画像]と[教師データ:肺機能]の関係を学習させ、3次元形態的な画像特徴から推定可能な肺機能を検証した。比較対象として、[入力データ:CT画像]と[教師データ:実年齢]の関係を学習させたCNNモデルも構築した。学習済みCNNモデルは、性別・身長・1秒量から算出される肺年齢を9.67歳、実年齢を4.13歳の平均推定誤差でそれぞれ推定できること、さらに、喫煙による肺ダメージが大きいほど推定年齢が高くなることを確認した。 STEP3:複数の画像特徴の統合利用による肺機能推定 シミュレーション4DCTとその疑似投影像を用いて、時間軸方向の変化を加味した肺セグメンテーションならびに骨陰影低減を行う深層学習モデルを新規構築した。学習済みモデルを用いて、臨床症例の胸部X線動画像を対象に肺セグメンテーションならびに骨陰影低減処理を行い、胸部X線動画像とCT画像の画像特徴を統合するためのデータセット作成ならびに環境構築を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の世界的流行ならびに半導体不足の影響で、データサイエンスワークステーションが当初予定より1年度遅れて納品された。今年度は、このワークステーションを用いてSTEP2「CT画像の画像特徴に基づく肺機能推定」を当初計画どおり進めることができた。STEP3「複数の画像特徴の統合利用による肺機能推定」については、胸部X線動画像の前処理として時間軸方向の変化を加味した肺セグメンテーションと骨陰影低減処理のモデル構築に成功し、国内外の学術大会・英語論文にて成果報告を行った。しかし、この前処理技術の開発に、当初予定していた以上に時間を要したため、STEP3の後半部分「CT画像の画像特徴を統合」まで到達できなかった。今後、胸部X線動画像から抽出した画像特徴をCT画像の画像特徴を統合後、[教師データ:肺機能検査結果]の関係をCNNに学習させ、画像特徴の統合で推定精度が向上するかどうか検証を進める。やや遅れがみられるものの、研究計画に沿って進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の上記成果にもとづき、2023年度はSTEP3の後半部分「CT画像の画像特徴を統合」と、以下に示すSTEP4に取り組む。 STEP4: 画像特徴に基づく異常検出 ①画像特徴に基づいて肺機能障害を検出するために、まず、画像特徴の分類と正常範囲の確立を行う。次元圧縮による特徴量抽出を可能にするオートエンコーダを用いて特徴マップを作成し、k-means法によるクラスタリング、すなわち、データの特徴をもとにしたグループ分けを行う。グループごとに呼吸機能検査による肺機能分類(拘束性/閉塞性/混合性肺機能障害、正常)との関連を明らかにする。②さらに画像特徴の平均値からの逸脱を「異常」、かつ、逸脱の程度で「肺機能障害の重症度」を判定する「肺機能診断支援システム」を試作する。
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