研究課題/領域番号 |
23K21426
|
補助金の研究課題番号 |
21H02872 (2021-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
佐藤 達彦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター, 研究主席 (30354707)
|
研究分担者 |
樺山 一哉 大阪大学, 放射線科学基盤機構, 教授 (00399974)
兼田 加珠子 (中島加珠子) 大阪大学, 放射線科学基盤機構, 特任准教授(常勤) (00533209)
佐々木 秀隆 大阪大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (10738628)
渡部 直史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90648932)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
|
キーワード | 標的核医学治療 / 線量評価システム / α線 / マイクロドジメトリ / PHITS / 線量評価 |
研究開始時の研究の概要 |
PHITSを用いた標的核医学用治療計画システムを開発し、その妥当性を大阪大学で実施する臨床データで検証する。また、α線の高い生物学的な効果をマイクロドジメトリの観点から定量化する。
|
研究実績の概要 |
α線放出核種を用いた核医学治療(Targeted Alpha Therapy, 以下TAT)は、隣接臓器浸潤や遠隔転移など進行性の難治性がんに対して極めて有望な治療法として社会の大きな注目を集めている。TATの高い治療効果はα線が短飛程かつ高電離密度であることに起因するが、TAT研究は臨床や創薬が先行して放射線生物学や医学物理のような基礎研究が遅れており、それらα線の特性が治療効果に与える影響の定量的な評価はほとんど行われていない。そこで本研究では、これまで異なる分野で活躍してきた研究者らが連携し、数理モデルと実験を組み合わせTATの高い治療効果を細胞スケールのミクロ線量の不均一性から推定する手法の確立を目指す。また、その結果を元にTATにも適用可能な線量評価システムを開発し、その妥当性を臨床研究で検証する。 令和5年度は、ミクロレベルでの電離・励起分布を最新のPHITSコードで計算し、その結果をTATの治療効果に応用できるように数理モデル化した。また、その成果をPhys.Med.Biol誌で発表するとともに、国際放射線影響学会にて招待講演を行った。また、上記内容や昨年度までに開発したPHITS医学応用パッケージ(RT-PHITS)の概要などを含む最新版PHITSの特徴をまとめた論文をJ.Nucl.Sci.Technol誌に発表した。 実験研究では、昨年度までに実施した[At-211]NaAtと[I-131]NaIを用いた細胞実験時に対応するX線照射実験を行い、X線を基準放射線とした生物学的効果比を推定する準備を整えた。また、[Ac-225]と[At-211]の細胞毒性などの実験結果についてまとめた論文をInt.J.Mol.Sci.誌に発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究のメインテーマである核医学用線量評価システムや治療効果推定数理モデルの開発は概ね順調に進展している。ただし、その精度に関しては、実臨床データで得られたCTやSPECT画像の分解能や撮像点数の問題から、期待されているレベルには達していない。今後、画像データの事前処理などを行い、その精度の改善を目指す。また、今年度の実施したX線照射に対する実験から推定した細胞生存率の生物学的効果比は、数理モデルで予測された値よりもはるかに大きく、現在、その原因を検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は、今年度に引き続き前処理をしたゾーフィゴ投与患者のSPECT/CT画像からPHITS入力ファイルを作成し、その臓器線量や腫瘍線量を評価する。また、現在、大阪大学附属病院で進行中のNaAtを用いた医師主導治験が完了すれば、その臨床データと今年度までに開発したシステムを用いて患者の線量評価を実施する。また、今年度までの測定により得られたX線照射とβ線照射による細胞生存率が大きく異なる原因を実験・理論の両面から解析する。
|