研究課題/領域番号 |
23K21430
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補助金の研究課題番号 |
21H02885 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
池田 真理子 (谷口真理子 / 谷口) 藤田医科大学, 大学病院, 准教授 (00410738)
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研究分担者 |
青井 貴之 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00546997)
石垣 景子 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (10366304)
丸山 達生 神戸大学, 工学研究科, 教授 (30346811)
青井 三千代 (小柳三千代 / 小柳) 神戸大学, 医学研究科, 助教 (90432327)
中嶋 和紀 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 准教授 (10442998)
長坂 美和子 社会医療法人愛仁会高槻病院(臨床研究センター), 成育医療研究室, 研究員 (70723998)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2025年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 福山型筋ジストロフィー / 当鎖ホメオスタシス / Oーマンノース型糖鎖 / 糖鎖分解 / 糖鎖合成 / Oマンノース型糖鎖 / アルファジストログリカン / 糖鎖修飾 / 低分子化合物 / 糖鎖異常 / ホメオスタシス |
研究開始時の研究の概要 |
着目している低分子化合物Mn007の機序が、αDGの合成にかかわる糖転移酵素の活性化をきたすか、あるいは糖鎖分解酵素を阻害し安定化するかについて、糖代謝測定や、合成基質を用いた液体クロマトグラフィーによる活性測定実験、遺伝子発現解析、結合タンパク質の同定解析により糖鎖制御の機序を明らかにすることを目指す。総合的に化合物の作用機序解明から治療法の開発と安全性の検討、表現型の改善や効果発現時期や治療臨界期を動物モデルや独自に作成したオルガノイド疾患モデルを用いて評価し福山型の中枢病変の評価も行う。
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研究実績の概要 |
福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)は、フクチン遺伝子の変異により、αジストログリカン(αDG)のO-マンノース型糖鎖が欠損する、重篤な先天性の神経・筋疾患である。FCMDは本邦に特に患者の多い重篤な難病である。重度の筋ジストロフィーと眼症状加え滑脳症、てんかん、発達障害など重度な中枢神経症状も併発する、予後不良な疾患である。特に本邦で疾患頻度が高く、国内に約二千名弱の患者がいるが治療法がない。原因遺伝子フクチン(FKTN)は、本邦で発見され、細胞外マトリックスと細胞骨格を結ぶ「O-マンノース型糖鎖」を持つジストログリカン(DG)を構成する糖転移酵素の一つである。最近、フクチンはリビトール5リン酸(Rbo5P)という希少糖の転移酵素であることが解明された本研究は申請者が開発した疾患モデル(iPS細胞より分化させた筋管や三次元大脳皮質オルガノイド)、初代培養株、変異遺伝子をノックインしたモデルマウス等を活用し、O-マンノース型糖鎖を劇的に改善する環状芳香族化合物Xの薬効機構を糖代謝のホメオスタシスの観点から明らかにする研究である。 本年度はαDGのOマンノース型糖鎖とαDG糖鎖を転移する酵素であるフクチンのターンオーバーを解析した。また野生型HEK細胞をもちいてαDG糖鎖を劇的に増大する低分子化合物Mn007を投与し、そのターンオーバーへどのように影響するかを検討した。加えて野生HEK細胞において、低分子化合物の結合タンパクを同定するための共沈実験を行った。 糖鎖のターンオーバーを観察すると、低分子化合物投与により劇的に増強した糖鎖が、化合物除去により急激に失活することが観察された。すなわち、この低分子化合物は酵素の分解を阻害している可能性が示唆された。糖鎖の分解酵素は未知の分野であり、今後どのように同定するか検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低分子化合物の糖鎖伸長への影響を観察することにより、糖鎖の分解酵素阻害が示唆され、新たな知見の発見へと近づいている。残2年間でこの機能を解析したいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
低分子化合物が「DGの糖鎖の制御にどうかかわっているか」をひきつづき明らかにする。すαDGの合成にかかわる糖転移酵素の活性化をきたすというより、あるいは糖鎖分解酵素を阻害し安定化するのではないかという研究結果より、糖代謝測定や、合成基質を用いた液体クロマトグラフィーによる活性測定実験、遺伝子発現解析、結合タンパク質の同定解析により糖鎖制御の機序を明らかにしてゆく。 また酵素蓄積によるERストレスの検討も行う。またαDGパチー特有の横紋筋融解症への関与を検討し、本化合物の効果も検証したい。総合的に化合物の作用機序解明から治療法の開発と安全性の検討、表現型の改善や効果発現時期や治療臨界期を動物モデルや独自に作成したオルガノイド疾患モデルを用いて評価し、ウイルス感染の機序解明や福山型の中枢病変の評価も行う。
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