研究開始時の研究の概要 |
メガリンは近位尿細管細胞のエンドサイトーシス受容体であり,腎毒性のタンパク質や薬剤等の「入り口」分子として腎臓病の発症・進展に関わる。私たちはメガリンの構造・機能解析を深化させ,腎臓病の病態解明と診断・治療における「メガリン創薬」を推進した。具体的には,(A)メガリンの立体構造やリガンド結合の物理化学的相互作用の解析によって腎毒性リガンドとメガリンの結合を阻害するメガリン拮抗薬の開発を進めた。(B)メガリンの細胞内ドメインの構造解析を通して慢性腎臓病の病態を解析し,メガリン機能抑制薬による治療理念を明らかにした。(C)尿中メガリンの排泄機序を解析することで尿中メガリン検査薬の意義付けを深めた。
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