研究課題/領域番号 |
23K21440
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補助金の研究課題番号 |
21H02946 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター (2023-2024) 千葉大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
武藤 朋也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 主任研究員 (90723560)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 自然免疫 / 自然免疫シグナル / 造血器腫瘍 / クローン性造血 / 形質転換 / TRAF6 / クローン造血 / 基質転換 |
研究開始時の研究の概要 |
TRAF6は、自然免疫シグナル経路において、中心的役割を担っているE3ユビキチンリガーゼである。申請者はこれまで、TRAF6は炎症亢進というより代謝制御を介して白血病進行に寄与することを見出した。本研究ではこの知見を起点として、自然免疫シグナルを介した造血器腫瘍の新規分子基盤を明らかにし、新規治療戦略の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
TRAF6は、自然免疫シグナル経路において中心的役割を担っているE3ユビキチンリガーゼである。骨髄系腫瘍において、がん促進的とがん抑制的にも機能すると報告されており、その役割は複雑である。申請者が本研究を進める過程で、自然免疫シグナル経路による典型的な役割である炎症亢進ではなく、代謝制御を介したメカニズムがTRAF6を介した白血病の病態機序に重要な役割を果たしていることを見出した。本研究では、この点に注目し、さらなる分子メカニズムの解明を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Traf6欠損マウスを用いたMLL-AF9白血病マウスモデル、ならびにTRAF6欠損ヒト白血病細胞株を用いてTARF6の白血病におけるoncogenicな役割を明らかにした。これらのモデルと白血病臨床検体の遺伝子発現情報のデータベースを用いて解析した結果、ミトコンドリア機能関連の遺伝子発現の変化が認められた。実際、TRAF6欠損白血病細胞株においてミトコンドリア呼吸能低下、ATP産生能低下、ミトコンドリア膜電位低下が認められた。また、メタボローム解析により広範な代謝中間産物の低下がTRAF6低下により引き起こされることが判明した。これらにより、自然免疫シグナルによるダイナミックなエネルギー代謝制御と白血病の病態への関与が示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
現在、TRAF6を介した代謝制御に寄与する重要な分子機序としてO-GlcNAcタンパク修飾に注目している。O-GlcNac修飾を付加する酵素であるOGTならびに除去する酵素であるOGAに介入し、TRAF6を介した代謝状態への影響を検証することで、TRAF6/OGT/O-GlcNAc経路の白血病病態への重要性を検証する。
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