研究課題/領域番号 |
23K21445
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補助金の研究課題番号 |
21H02984 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小寺 泰弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10345879)
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研究分担者 |
神田 光郎 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00644668)
田中 千恵 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (50589786)
清水 大 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50723037)
小比賀 聡 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (80243252)
笠原 勇矢 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, 副センター長 (10740673)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 胃癌 / アンチセンス核酸医薬 / Transcriptome解析 / PCDHA11 / コンパニオン診断 / 細胞接着因子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞接着因子を標的としたアンチセンス核酸医薬による新たな胃癌分子標的治療薬およびコンパニオン診断技術開発を目指して、以下を実施する。 1) アンチセンス核酸スクリーニング、2) メカニズム解明(機能解析、シグナル解析、KOマウス解析、正常組織中発現解析)、3) in vitro活性評価(濃度依存性の活性、癌種横断的活性評価)、4) in vivo活性評価(皮下腫瘍モデル、同所移植モデルでの薬効評価)、5) 毒性評価とオフターゲット探索、6) コンパニオン診断(治療前生検、手術検体での免疫染色法による発現解析)
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研究実績の概要 |
本研究では、細胞接着因子を標的としたアンチセンス核酸医薬による新たな胃癌分子標的治療薬およびコンパニオン診断技術開発を目指して実験を進めている。令和4年度は、以下の進捗を得ている。 メカニズム解明のために、ターゲットバリデーションを進めた。標的分子の機能解析としてアンチセンス核酸によるノックダウン前後でのスフェロイド形成能を比較したところ、ノックダウンにより顕著にスフェロイド形成は阻害された。また、幹細胞性のsurrogateマーカーであるALDH活性はノックダウンにより低下した。どのような細胞内シグナルに干渉することで活性を示しているかを調べるためにPTM Scanで得られたリン酸化状態のデータを解析して候補シグナル系を抽出した。標的分子の生態・恒常性維持における役割を調べるため、WT/ヘテロ/ホモノックアウトマウスを作成した。次年度に胎生死の有無、生態、成長、行動、代謝(血液検査を含む)および生殖を経時的に観察していく。in vitro活性評価も進め、癌種横断的(胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌、食道癌、膵癌)な細胞株に対するアンチセンス核酸の細胞増殖阻害活性データを取得した。in vivo活性評価に先だって、in vitro細胞毒性評価とin vivo毒性評価(肝毒性に着目)を行い、配列選抜を進めた。コンパニオン診断開発に向けて、胃癌症例の組織検体を対象に免疫染色法を実施し、標的蛋白の組織中発現解析の条件設定を完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、有望配列スクリーニングを経て、取得した配列を用いた基礎データの構築が順調に進んだ。in vivo活性テストに向けて毒性評価も進んでいる。メカニズムを明瞭化するための機能解析、シグナル解析も順調に進捗している。標的因子の阻害が生体に致命的な影響を与えないかを調べるためのノックアウトマウス合成も完了した。コンパニオン診断技術開発のための免疫染色法至適条件設定も完了した。
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今後の研究の推進方策 |
メカニズム解明(担当:小寺・神田・清水):アンチセンス核酸によるノックダウン前後での5-FUおよびシスプラチン感受性の変化について解析する 。PTM Scanで抽出された候補シグナル系に着目してwestern blotting法で詳細に検討する。作成済みのWT/ヘテロ/ホモノックアウトマウスを用いて、胎生死の有無、生態、成長、行動、代謝(血液検査を含む)および生殖を経時的に観察し、標的分子喪失の生体への影響を調べ、安全性データの一部とする。標的分子は中枢神経系組織中に比較的発現が多いとの報告もあるため、名古屋大学神経内科教室の協力のもと、KOマウスの認知運動障害の有無をローターロッド試験にて評価する。 毒性評価とオフターゲット探索(担当:笠原・小比賀):アンチセンス核酸の有害事象として肝毒性が報告されており、投与量をエスカレーションした場合の安全性を担保するためマウスのAST等を指標に各濃度域での肝毒性や、休薬によってどの程度回復するかについて調査する。 in vivo活性評価(担当:神田):マウス皮下腫瘍モデルでの腫瘍形成抑制活性評価を実施する。ついで、胃癌腹膜播種モデルもしくは同所移植モデルに対するCEM法でのアンチセンス核酸腹腔内投与(週1回、3濃度設定)により、造腫瘍能/転移形成/生存期間を評価する。 コンパニオン診断(担当:田中):免疫染色の至適条件は設定済みである。主に手術標本組織を対象に免疫染色法を実施し、組織中標的蛋白発現の臨床的意義を調べる。
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