研究課題/領域番号 |
23K21446
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補助金の研究課題番号 |
21H02986 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
穴澤 貴行 京都大学, 医学研究科, 講師 (90566811)
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研究分担者 |
藤本 七恵 京都大学, 医生物学研究所, 特定研究員 (00838691)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 細胞移植 / 膵島移植 / 皮下移植 / 免疫寛容 / 糖尿病 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
失われた臓器・細胞機能を、低侵襲な方法により補完・置換する細胞移植治療の発展には、安全かつ効果的な移植方法の開発が求められている。本研究は、代表的な細胞移植の一つである膵島移植において、皮下移植モデルの確立を目的とし、至適な皮下移植空間のバイオマーカーを探索すると共に、非免疫抑制下で細胞が生着しうる免疫寛容移植部位を構築することを目指している。本研究成果は、iPS/ES由来膵島細胞や異種膵島細胞の移植への発展はもとより、膵島細胞以外の細胞移植の臨床展開にも大きく貢献する可能性がある。
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研究実績の概要 |
膵島細胞移植モデルを用いて、皮下に血管新生誘導し細胞移植する際に惹起される生体反応を解明し、至適な時期の移植を可能とし、細胞障害の少ない移植部位 を構築することを目的とした研究を行った。 これまでの皮下細胞移植のアプローチは、マイクロあるいはマクロカプセルに封入して移植することが主流であった が、細胞生存率の低下や、細胞の機能低下が問題であった。本方法では、酸素と栄養素供給、老廃物排出のための血管新生を先に行い、生体反応を利用し移植細 胞の機能を阻害することない細胞移植が可能となり、これまでの欠点を克服するアプローチが実施できる。 b-FGFをアガロースに担持させマウスの皮下に埋め込み、生体内異物反応と血管新生誘導刺激により皮下に細胞移植用空間を形成した。まず、拒絶反応のない系で 血管誘導の至適条件を解明するため、C57BL/6マウスにて、ストレプトゾトシン(STZ)による糖尿病マウスへの同系皮下膵島移植(600IEQ)を行い、血管誘導期 間の差異による移植成績を検証した。血管誘導14日間群は、7日群に比して早期の血糖正常化を示した。14日群では移植部位に多数のマクロファージ集積を認め、 7日群ではマクロファージ1のマクロファージ2に対する比率が高く、移植部位局所でのIL-6, TNFが高値であることが明らかとなった。7日群で抗TNF抗体を使用す ると早期に血糖正常化が得られ、炎症性サイトカインが移植細胞生着に影響を及ぼしていることが示唆された。皮下移植前の血管床誘導において、誘導後早期は マクロファージ1の集積による炎症性サイトカイン産生により早期生着が妨げられると結論づけた。 さらに、生体吸収性デバイスにb-FGFを担持される方法を導入して、より臨床応用に近い血管誘導法を検証した。現行の移植法である門脈移植に匹敵する移植効率が得られ、臨床応用への展望が得られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「皮下細胞移植部位成立機序の解明とバイオマーカー探索」を具体的目標として研究を実施した。皮下への膵島(細胞)移植では、血管誘導が必要 であることは知られていたが、その誘導が炎症反応を引き起こし、移植細胞の生着に悪影響を及ぼす、とするこれまでに明らかにされていなかった知見が得られ たことは、本研究の目的の達成において重要である。マウスを用いた同系(Syngeneic)皮下膵島細胞移植での生着至適条件設定が完了し、移植部位の免疫細胞のプロファイルのフローサイトメーターでの定量的な評価により、マクロファージの挙動にも知見が得られている。またCytmetric Bead Arrayを用いて、移植部位の各種サイトカイン測定の実施により、抑制性サイトカインが至適移植時期のバイオマーカーとなりえるとする仮説の検証も進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
膵島細胞皮下移植モデルにおける、至適および非至適条件間の免疫細胞解析と液性因子の評価によるバイオマーカー探索を引き続き進める。皮下細胞移植部位構築における生体反応の推移を解明し、「抑制性サイトカイン産生亢進時期が至適移植実施時期である」ということを証明するための検討を行い、皮下膵島細胞移植寛容モデルの作成を目指す。さらに次年度から、薬剤誘発性糖尿病マウスを用いた同種(Allogeneic)皮下膵島細胞移植での生着率確認と、抑制性サイトカインの誘導および制御性T細胞の誘導効率の向上と安定化に取り組む予定としている。
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