研究課題/領域番号 |
23K21451
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補助金の研究課題番号 |
21H03013 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
東 信良 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30250559)
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研究分担者 |
大平 成真 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (70899814)
内田 大貴 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80422038)
菊地 信介 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80596297)
齊藤 幸裕 旭川医科大学, 医学部, 客員准教授 (80540583)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 内膜肥厚 / グラフト狭窄 / 閉塞性動脈硬化症 / 静脈グラフト / 下肢末梢動脈バイパス / 冠動脈バイパス |
研究開始時の研究の概要 |
静脈グラフトによる四肢動脈や冠動脈の外科的血行再建は、その長期開存性の点で血管内治療よりも優れているが、臨床において静脈グラフトの25%程度は動脈血流環境下で進行性内膜肥厚を起こして狭窄・閉塞するため、動脈グラフトの長期開存性には劣る。静脈グラフトの内膜肥厚のうち、ヒトで発生する病的な進行性内膜肥厚を再現できる実験モデルがこれまで存在していない。本研究では、移植前の静脈グラフトにあらかじめ炎症を惹起させることで、ヒトで発生する内膜肥厚に近い動物実験モデルを新たな確立することにある。
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研究実績の概要 |
1.ブタ内頸静脈への拡散医薬導入方法の確立 口径や壁厚がヒト大伏在静脈に近いブタ(30~50Kg)の内頸静脈を摘出し、これまでの研究でも用いてきたCRE decoy (5′-TGACGTCATGACGTCA TGACGTCA-3′)にbiotin標識したものを、摘出した静脈に導入する方法を検討した。遺伝子導入方法として、圧入法(血管内腔と外腔に同じ圧をかける)を用い、至適濃度や圧など、至適導入条件を探索した。まず、圧入法に必要なプラスチック器具を試作し、組織切片を作成して導入効率の検証を行った。結果として、2気圧、10分間での圧入法によって、中膜表層までの核酸医薬導入が確認された。 2.炎症惹起静脈移植モデルの確立 臨床において感染創を有する下肢から採取した静脈グラフトが採取時すでに内膜肥厚が形成されていることにヒントを得て、バイパスグラフトとして移植する静脈の一部に炎症を惹起させて修飾を施した静脈グラフトモデルを確立するため、まず、ラットにてモデル確立を試みた。炎症惹起静脈移植モデルの作成方法として、バイパスで使用予定の大腿静脈を一部露出し、10mm長の範囲を全周性に剥離した後、リポポリサッカライド(LPS)溶液を含んだ酸化セルロース綿で剥離部分を被覆する方法を用いて、1~2週間後にその静脈を摘出して病理組織学的検討を行った。しかし、細胞浸潤や明らかな内膜肥厚は起こらなかった。一方、大腿静脈内腔にLPS溶液を注入することで、細胞浸潤を伴い内膜肥厚が発生することが明らかとなってきた。静脈に内膜肥厚を確実に起こさせる条件設定を実施中の段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究担当者がCOVID-19に感染して長期間、実験できない状況にあったため
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今後の研究の推進方策 |
1.ヒト大伏在静脈での核酸医薬導入方法の実証 臨床での静脈グラフトを用いた末梢動脈バイパス手術や冠動脈バイパス術において、通常、数cmの静脈が余ることが多い。倫理委員会の承認のもと、同意が得られた静脈グラフトによるバイパス術施行症例において、その残余静脈片に上記1)で得られた至適遺伝子導入法でCRE decoyを導入し、導入効率をin vitroで確認し、将来臨床応用の際の至適条件を検討する。 2.ブタ静脈グラフト移植モデルの確立(炎症惹起静脈移植モデル) バイパスグラフトとして移植する静脈の一部に炎症を惹起させて修飾を施した静脈を大腿動脈バイパス術を実施するモデルを確立する。ラットで見出した理想的な静脈への炎症惹起物質としてLPSの他にリコンビナントinterleukin-1β(IL-1β)溶液を試してみる。その2週間後に炎症部を含めて静脈を摘出し、対側の無処置の内頸静脈と病理組織学的比較を行う。 以上により、ブタでの静脈グラフト移植実験で、炎症惹起静脈グラフトを用いて内膜肥厚を発生させ、事前に核酸医薬導入が内膜肥厚を抑制することを明らかにする実験の準備が整うことになる。
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