研究課題/領域番号 |
23K21458
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補助金の研究課題番号 |
21H03029 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松村 洋輔 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (00466707)
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研究分担者 |
伊澤 祥光 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90565699)
林田 敬 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (20445258)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | REBOA / 水素吸入 / 虚血再灌流傷害 / 大動脈遮断 |
研究開始時の研究の概要 |
REBOAは,動脈性出血制御と中枢臓器灌流維持を可能とする低侵襲な大動脈遮断法であるが,続発する虚血再灌流障害 (IRI) による酸化ストレスで,多臓器不全から死亡することがある.心停止後症候群や出血性ショックに対する水素ガス吸入の有効性・安全性が報告されている.本研究の目的はPost-REBOA IRIによる水素ガス吸入療法の安全性・有効性評価を行うことである. ブタREBOAモデルで60分完全遮断を行った.遮断開始から2%水素吸入を行い,吸入有無で生存時間・乳酸値・酸化ストレスマーカーである血清8-OHdGを測定した.統計学的有意差はなかったが,水素吸入群で侵襲が軽減されている傾向であった.
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研究実績の概要 |
出血性ショックに対する蘇生手段であるResuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta (REBOA)は,動脈性出血の制御と中枢臓器灌流維持を可能とする低侵襲な大動脈遮断法である.しかし遮断解除後に続発する虚血再灌流障害 (Ischemia-reperfusion injury, IRI) による酸化ストレスで,多臓器不全で死亡することもある.REBOA後のIRI (Post-REBOA IRI)の酸化ストレスに対する有効な治療法探索が望まれる.本研究の目的はPost-REBOA IRIによる酸化ストレス軽減のための新規治療法として水素ガス吸入療法を確立することである. 2021年度は倫理審査承認取得・研究チームでの実験計画共有と手術手技習熟,実験モデルの確認を行った.生体ブタに対して安全に全身麻酔下に外科手技を行い,REBOAを留置し,水素吸入を行うという本研究の核となる研究の技術的な再現性を確認した.2022年度は確立した実験プロトコルに基づき,全身麻酔下の実験ブタにREBOAによる大動脈遮断(遮断強度100%)を60 分施行後に遮断解除を行い再潅流障害の時相を観察した.大動脈遮断開始をT=0 として,そこから水素吸入有無で2群に分け,REBOA遮断中やおよび遮断後に経時的に血液検体を採取し血液ガス分析,乳酸値を評価した.さらに,開腹して腸管を肉眼的に繰り返し観察できるようにして,規定の採取部位から予備実験結果に基づき,経時的な腸管切除標本を採取した.実験終了前に造影CT撮影を行い,バイオマーカー・CT所見・病理所見すべての側面から腸管虚血強度を評価した.炎症性サイトカインや酸化ストレスマーカー測定のための血漿・血清は毎回の実験で凍結保存した.また,動物実験中の生存時間も併せて記録した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度までに,実験モデルおいて安全に全身麻酔下に外科手技を行い,水素吸入を行うという本研究の核となる研究の技術的な再現性を確認した. 2022年度は妥当性を確認した実験手法により,計画した動物実験の実施,データ収集,検体保存を遂行した.全身麻酔下の実験ブタにREBOAによる大動脈遮断(遮断強度100%),遮断解除後の再潅流障害を観察した.水素吸入有無で2群に分け,REBOA遮断中やおよび遮断後の血液検体採取と検体保存,腸管の肉眼的観察を経時的腸管切除標本採取,造影CT撮影を行った.対象動物の実験は滞りなく終了した. 解析結果報告と論文発表にまで達すれば1.とするところだが,その準備中であり2.を選択した.感染症蔓延状況にあわせて研究を遂行し,研究実施推進のペースは一様ではなかったものの実験継続困難となる遅延はなかった.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,2022年度に実施した実験結果を解析し,水素ガス吸入がPost-REBOA injuryの酸化ストレスを抑制するかどうかを,バイオマーカー・病理組織評価・生存期間などの点から論文執筆および学会発表を最優先に推進する. 上記解析・執筆・報告にあわせて,虚血強度や遮断時間などの条件を変更した場合での再現性確認のための追加実験が可能である場合には,これを計画・実施する.2022年度も引き続きコロナ禍によって予定通り実験を行うことができないことはあった.その可能性は低減してきていると思われるが,今年度以降も研究可能な状況のときに,できるだけ実験回数を短期間に集中して行う予定である.今後,条件を変更した状態での研究結果から,REBOAの遮断強度・遮断時間と酸化ストレス重症度の関連から水素吸入療法を導入する患者選択基準確立に繋げることができれば臨床応用に近づくこととなる.
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