研究課題/領域番号 |
23K21470
|
補助金の研究課題番号 |
21H03068 (2021-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
古目谷 暢 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60721082)
|
研究分担者 |
鈴木 貴紘 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 客員主管研究員 (00553661)
木村 啓志 東海大学, マイクロ・ナノ研究開発センター, 教授 (40533625)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 精子形成 / 男性不妊 / オルガノイド / マイクロ流体 / オミックス解析 / 細胞培養 / マイクロ流体デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞培養系の精子形成環境を組織培養系の水準まで高めるため、(1)分化細胞の成熟誘導遺伝子の解明と細胞培養下での成熟化、(2)細胞を管腔状に配列するマイクロ流体デバイスの開発と精細管誘導によって、組織を再構築する過程で精巣を構成する細胞の成熟度が低下し、精巣の構造が完全に失われてしまう細胞培養系の課題を解決する。そして、(3)in vitro精子形成が可能な精巣オルガノイド培養系を開発する。
|
研究実績の概要 |
不妊症の50~60%に関与する男性不妊の病態解明や治療法の開発をすすめるうえで、ヒトin vitro実験系の確立が重要である。特に細胞培養系によりiPS細胞を用いたin vitro精子形成が実現できれば研究推進が強く期待できる。その第一歩として申請者らはマウス組織培養系で生体内の精子形成環境を再現しin vitro精子形成を実現するとともに、この再現条件を細胞培養系に流用するだけでも僅かではあるが半数体を誘導できることを確認した。本研究では、細胞培養系の精子形成環境を組織培養系の水準まで高めるため、(1)分化細胞の成熟誘導遺伝子の解明と細胞培養下での成熟化、(2)細胞を管腔状に配列するマイクロ流体デバイスの開発と精細管誘導によって、組織を再構築する過程で精巣を構成する細胞の成熟度が低下し、精巣の構造が完全に失われてしまう細胞培養系の課題を解決する。 (1) 分化細胞の成熟誘導遺伝子の解明と細胞培養下での細胞成熟化 精巣を構成する細胞は、精子のもととなる生殖細胞と、精子形成をサポートするセルトリ細胞、ライディッヒ細胞、筋様細胞などの支持細胞からなる。支持細胞の中で精子形成において最も重要な働きをするセルトリ細胞を対象に、精子形成誘導が可能なセルトリ細胞で発現上昇している遺伝子群を同定した。また、減数分裂期まで精子形成が進展する2次元培養法を確立した。 (2)細胞を管腔状に配列するマイクロ流体デバイスの開発と精細管構造の誘導 自己組織化法を用いて、減数分裂期まで精子形成が進展する培養法を確立した。 また、マイクロパターニング技術を用いて人為的に管腔構造を誘導する培養装置の試作に取り組んでいる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1) 分化細胞の成熟誘導遺伝子の解明と細胞培養下での細胞成熟化 減数分裂期まで精子形成を進展させられるようにはなったが、パキテン期の壁を越えることはできておらず、培養方法のさらなる改良が必要である。 (2)細胞を管腔状に配列するマイクロ流体デバイスの開発と精細管構造の誘導 自己組織化法により精細管腔構造を模倣した構造物を構築できたが、管腔構造とはいいがたくさらなる改良が必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
(1) 分化細胞の成熟誘導遺伝子の解明と細胞培養下での細胞成熟化 scRNAseqを用いて細胞培養下での生殖細胞及びセルトリ細胞の成熟度を生体と比較することで、細胞培養下でのさらなる成熟誘導に関与する遺伝子群を同定する。 また、培養条件の最適化を進める。 (2)細胞を管腔状に配列するマイクロ流体デバイスの開発と精細管構造の誘導 マイクロパターニング技術を用いた管腔構造の誘導方法を精巣構成細胞で最適化したものへと改良していく。また、(1)の進捗に合わせて、自己組織化法での管腔誘導の精巧さも適宜評価していく。
|