研究課題/領域番号 |
23K21474
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補助金の研究課題番号 |
21H03078 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 (2024) 慶應義塾大学 (2021-2023) |
研究代表者 |
浜谷 敏生 藤田医科大学, 医学部, 教授 (60265882)
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研究分担者 |
宮戸 健二 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, 室長 (60324844)
山田 満稔 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40383864)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 生殖医学 / エクソソーム / miRNA / 胚盤胞 / 培養液 / 子宮内膜 / 細菌叢 / 培養後培養液 |
研究開始時の研究の概要 |
・ヒト胚盤胞培養後培養液のmiRNAプロファイリング。ヒト子宮内膜組織について抗CD9や抗CD81抗体を用いた免疫電顕の後、ヒト初代培養子宮内膜細胞およびヒト間葉系幹細胞の培養上清(無血清培地)について、超遠心や免疫沈降を用いて細胞外分泌顆粒(EV)を分画毎に分け、プロテオーム、miRNA解析。 ・単離したEVを子宮内に投与することで、CD9欠失マウスの子宮性続発性不妊症やβカテニン欠失マウス胚の着床不全をレスキューできるか検討。EVはビーズに結合させ、脂質特異的に結合するPKH67などを用いて可視化させて観察。 ・マーモセット個体でも、子宮内腔液、子宮内膜組織などを採取し、雌性生殖器管内のEVと細菌叢を解析。
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研究実績の概要 |
計画概要の1. マーモセットの雌性生殖器内の細菌叢とエクソソームの解析 マーモセットの採卵(開腹手術)の際に、無菌的に左右卵管、子宮体部、子宮頸管をそれぞれ穿刺し、少量の培養液を注入後すぐに吸引して内腔の洗浄液を回収した。遠心後沈渣は細菌叢の解析に供し、上清は(マイクロ)エクソソームの解析に供した。DNA抽出後全ゲノム増幅を試みたが、予備実験として行った5体のサンプルのうち、1個体からはDNAが増幅されず、4個体から十分なDNA量が増幅され、NGSを用いた16S rRNA遺伝子シークエンスに供した。その結果、細菌を検出することができたのは2個体についてのみであった。 そこで、マーモセット子宮内の着床前期胚を膣から上行性に回収する操作の際に得られる子宮内膜組織片をサンプルとしたところ、21検体全てから16S rRNA遺伝子細菌叢の結果が得られた。現在はそれらの結果のデータ解析中である。
計画概要の4. および5. ヒト胚盤胞培養に使用した後の培養液のEMV解析とART臨床データの解析 顕微授精後に1個の受精卵を30-ul dropに入れ、培養液を交換せず培養して形態良好胚盤胞が得られた場合に、使用済み培養液を回収し、胚それぞれについて凍結保存した(~25 ul)。その後移植され妊娠に至った胚が由来する培養液群(妊娠群)、妊娠に至らなかった胚の由来する培養液(非妊娠群)、胚を入れないコントロール培養液についてmiRNA網羅的解析を行い、各群に特異的なmiRNAを抽出した。さらに、サンプルをプールしないで、それぞれの胚の培養液(~25ul)中の miRNA発現量についてリアルタイムqPCRを用いて解析した。その結果、培養液中の5つのmiRNAの発現量に注目することで、その胚を胚移植した場合に妊娠する可能性を予測できることが明らかとなった (Kamijo S, Hamatani T, et al. Reprod Biol Endocrinol. 2022)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
再生医療等委員会の承認(PRP)、臨床サンプルの収集、エクソソーム保存および解析の方法の検討、さらに、マーモセットの雌性生殖器管内細菌叢の解析法の最適化などに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
計画概要の1. マーモセットの雌性生殖器内の細菌叢とエクソソームの解析 今後は、雌性生殖器腔内へPOM培養液を穿刺注入後に回収した洗浄液の遠心後沈渣を用いて、細菌叢解析を引き続き進める。洗浄液の上清サンプルからは、さらなる遠心分離でエクソソームを抽出し、テトラスパニンの量的質的解析、内容物(microRNA、タンパクなど)の解析などを行う予定である。 また、マーモセットの子宮内膜組織を用いた16S rRNA遺伝子細菌叢解析についてもさらに進める。子宮内膜組織片を用いて、上皮細胞からのエクソソーム分泌像を得るために電顕標本作製などを行う予定である。
計画概要の8. ヒト濃厚血小板血漿(PRP)のEMV解析 ヒトPRPに含まれるエクソソームの解析、さらにヒト間葉系幹細胞の培養上清に含まれるエクソソームについても解析を進め、CD9欠損マウスあるいはアシャーマン症候群ラットモデルを用いてこれらエクソソームの投与により子宮腔内癒着を予防できるかについて検討したいと考えている。
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