研究課題/領域番号 |
23K21476
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補助金の研究課題番号 |
21H03083 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤本 千里 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60581882)
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研究分担者 |
岩崎 真一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10359606)
安部 力 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10585235)
鴨頭 輝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30807152)
森田 啓之 東海学院大学, 健康福祉学部, 教授(移行) (80145044)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 片頭痛 / 前庭 / クロストーク / エクソソーム / miRNA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、臨床研究で示された前庭性片頭痛の病態と卵形嚢眼反射系の機能障害との高い関連性を背景に、前庭性片頭痛の分子メカニズムにおける最大の謎である「前庭障害と片頭痛の病態のリンク」を解明する基礎研究である。そして、前庭性片頭痛の新規バイオマーカーを発見し新規治療の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
片頭痛に関連するめまい症状を有する患者群に対して、近年、前庭性片頭痛という疾患概念が提唱された。しかしながら、主病変と考えられる前庭障害と前庭性片頭痛の病態との関連は明らかになっていなかった。申請者は、卵形嚢眼反射系の機能を反映する前庭誘発外眼筋電位検査において、前庭性片頭痛確実例の方が前庭性片頭痛疑い例よりも、有意に異常所見を呈することを示し、前庭性片頭痛の病態と卵形嚢眼反射系の機能障害との高い関連性を報告した。本研究課題は、前庭性片頭痛の分子メカニズムにおける最大の謎である「前庭障害と片頭痛の病態のリンク」を解明すること、そして、前庭性片頭痛の新規バイオマーカーを発見し新規治療の開発を目指すことを目的とする。 申請者らはこれまで、卵形嚢感覚上皮培養細胞UB/UE-1において、生細胞数の低下が示された冷感疼痛刺激物質イシリン処理条件にて、UB/UE-1細胞のRNAを抽出し、RNAシークエンス解析を行い変動遺伝子を抽出し、Gene ontology解析、パスウェイ解析を実施した。次に、培養液のエクソソームを抽出し網羅的解析を行った。 さらに、UB/UE-1において片頭痛関連受容体Xの発現を確認した。片頭痛関連受容体Xのアゴニストを投与し、Cell Counting Kit-8(CCK-8)による生細胞数測定系、および、トリパンブルー染色による死細胞率測定系を確立した。ある濃度・処理時間にて解析を行うと、細胞増殖は低下するが細胞生存率は不変という現象を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
卵形嚢感覚上皮培養細胞UB/UE-1に片頭痛関連受容体Xのアゴニストを投与し、Cell Counting Kit-8(CCK-8)による生細胞数測定系、および、トリパンブルー染色による死細胞率測定系を確立した。これまで、ある濃度・処理時間にて解析を行うと、細胞増殖は低下するが細胞生存率は不変という現象を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
片頭痛関連受容体Xのアゴニストで処理したUB/UE-1細胞において確認された、細胞増殖は低下するが細胞生存率は不変という現象が、細胞老化の特徴を呈するかについての検討を行う。細胞老化マーカーβガラクトシダーゼ (SA-βgal) の発現検討を免疫染色とフローサイトメトリーにて行う。次に、Senescence associated secretory phenotype(SASP)関連分子IL-2, IL-1bの発現検討をqPCR及びELISAにて確認する。 卵形嚢前庭性片頭痛モデルから抽出したエクソソームを、マウス脳室内に注入する。このマウスに脳内炎症が誘起されたか否かを、三叉神経由来の無髄神経線維の分布する頭蓋内髄膜組織における血管拡張、浮腫状変化、および肥満細胞の脱顆粒の表現型にて確認する。また、神経原性炎症の存在を確認する目的に、サブスタンスP、CGRPといった神経ペプチドの放出を、免疫染色にて確認する。
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