研究課題/領域番号 |
23K21493
|
補助金の研究課題番号 |
21H03137 (2021-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
依田 哲也 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60242210)
|
研究分担者 |
二藤 彰 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00240747)
佐藤 毅 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60406494)
岡崎 敦子 (今井敦子) 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70761691)
尾崎 心 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 副チームリーダー (10754765)
儀武 啓幸 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40376752)
佐久間 朋美 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (70633733)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 咀嚼筋腱・腱膜過形成症 / 変異遺伝子 / 腱細胞 / 全ゲノムシークエンス / 側頭筋腱 / 咬筋腱膜 / 腱 / 咀嚼筋 / エンテーシス / 遺伝子解析 / ケイ素 / 遺伝子変異 |
研究開始時の研究の概要 |
咀嚼筋腱・腱膜過形成症の腱細胞・腱線維の病態を解明することにより、腱の再生能力のメカニズムに迫り、骨と腱、骨格筋と腱の発生の組織再生に必須の条件を分析するための基盤を明らかにすることができる。すなわち、咀嚼筋腱・腱膜過形成症の病態の解明と、それによる腱と骨および腱と骨格筋の結合領域に発現する分子基盤の解明を行う。具体的には咀嚼筋腱・腱膜過形成症の病態を環境的要因と遺伝的要因から解析して病態モデル動物を作製し、さらに発生における骨・筋・腱組織を分析することで再生に必要な分子群を同定する。
|
研究実績の概要 |
咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者10名と患者の6家族から得た血液検体または唾液検体について、シークエンス後、DNAの配列を並べ替え(Mapping)、参照配列との不一致を検出し(Variant call)、検出したバリアントに関して情報の付加(Annotation)を行い、疾患原因遺伝子の抽出を行った。その結果、患者に9から599遺伝子の変異が認められ、患者が複数いる家系2(患者2と患者母)には80遺伝子(81バリアント)、家系6(患者6と患者姉)では130遺伝子(133バリアント)、家系9(患者9と患者姉)では47遺伝子(47バリアント)が抽出された。 また、ブタ側頭筋腱とアキレス腱のトランスクリプトーム解析 (RNA-seq)により、fold change≧2,p-value≦0.05の条件に当てはまる遺伝子を抽出し、ヒトと共通した遺伝子として476遺伝子が抽出された。 WGSで抽出した遺伝子のうち、51遺伝子がブタ側頭筋腱で高発現していることが判明し、OMIMデータベースで疾患との関連が未報告であった遺伝子は37遺伝子、その内PCDH1とBAIAP3の2遺伝子は家系間で重複があることが判明した。PCDH1はプロトカドヘリン1をコードしている遺伝子でプロトカドヘリンの遺伝子ファミリーの一種である。プロトカドヘリンの遺伝子ファミリーには筋肉や腱の形成に関与している遺伝子が含まれている。 BAIAP3は家系4の罹患者と家系10の罹患者に認められた。BAIAP3と腱との関係性についてはまだ報告されていないが、今後サンプルサイズを大きくしていくことで関係が明らかになってくる可能性がある。 家系間重複のなかった35遺伝子の中にも腱の発生及びリモデリングに関連のある遺伝子も含まれており、疾患の発症や進行に関与していることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
患者の承諾取得等に難儀したが、おおむね予定通りに進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
咀嚼筋腱・腱膜過形成症患者の全ゲノムシークエンスをさらに増やすことで、原因遺伝子を絞り込んでいく。また、ブタではなくヒト腱組織検体でのRNA-seqを追加する予定である。
|