研究課題/領域番号 |
23K21507
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補助金の研究課題番号 |
21H03168 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
杉本 公平 獨協医科大学, 医学部, 教授 (20297394)
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研究分担者 |
岡田 弘 獨協医科大学, 医学部, 特任教授 (00177057)
濱田 佳伸 獨協医科大学, 医学部, 講師 (00326919)
白井 千晶 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (50339652)
小泉 智恵 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50392478)
清水 清美 城西国際大学, 看護学部, 教授 (70323673)
岩端 威之 獨協医科大学, 医学部, 講師 (90713248)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 生殖医療 / 不妊治療 / 心理社会的支援 / SNS / 心理社会支援 / アンケート調査 / デジタルコンテンツ開発 / 心理社会学的支援 / 妊娠不成立 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は以下の二つの研究より構成されている。 ①生殖医療予定の不妊カップルを対象とした前向きコホート研究のアンケート調査 妊娠不成立夫婦を抽出して曝露群とし、これらと年齢を一致させた妊娠成立した夫婦を抽出して非曝露群としてコホートを作成する。この2群の属性、治療経過、身体的心理的社会的健康を比較する。 ②妊娠不成立時の身体的心理社会的情報提供のデジタルコンテンツ作成 身体面の健康(性腺機能、更年期など)、心理面の健康(治療結果の受け止め、夫婦関係、里子・養子の選択など)、社会面の健康(専門家、専門資源とのつながり、社会活動、社会的親になることなど)に対する情報提供のためのコンテンツを開発する。
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研究実績の概要 |
近年の生殖医療の発展のおかげでこれまでは子供を持つことが困難であったカップルが子供を得ることができるようになってきた。しかしながら、その一方で体外受精などの高度生殖補助医療を行っても最終的に子供をもてないカップルも多く存在する。不妊であること、不妊治療に失敗すること、さらにはそれを反復することはカップルの心理社会的健康を損なうことが知られている。そのようなカップルへの支援に対する包括的な議論は十分なされているとは言えない。本研究は、生殖医療における妊娠不成立者の身体的心理的社会的な健康予後について、①前向きコホート研究で妊娠成立者と比較して明らかにすること、②その結果から妊娠不成立時のより良い健康予後に貢献するための心理社会的ケアとしてデジタルコンテンツを制作することを目的とする。 昨年度までに①前向きコホート研究のアンケートを開始している。本年度は②妊娠不成立時のより良い健康予後に貢献するための心理社会的ケアとしてデジタルコンテンツの制作を開始した。デジタルコンテンツの内容について2023年12月11日にwebミーティングを行い、内容について協議した。コンテンツの候補として、①HP②YoutubeなどSNS③VRあるいはメタバースを挙げた。メタバース制作の会社とのミーティングも行ったが、料金面の問題、今後どのような発展をするかが不透明であること、社会への普及が十分でないことより今回は選択を見送った。現在の情報探索の主流はYoutubeなどのSNSであることより、この方法を採用することになった。2024年3月11日のミーティングでは不妊治療経験者でいわゆるインフルエンサー活動をしている方を招き、今後のデジタルコンテンツ作成について議論した。やはりYoutubeを軸にしてSNSを用いたコンテンツ作成が最も妥当であるとの結論に達した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
デジタルコンテンツの選択の方向性を決めるうえで時間がかかってしまった。デジタルコンテンツに関してはこの研究計画をたてた2020年ころがまさにCOVID19パンデミックの真っただ中で社会生活様式が劇的に変化をした時期であった。在宅勤務、web授業などリモートによる生活が浸透してきたいたこともあり、制作するデジタルコンテンツも研究計画当初から選択肢が大きく増えることになった。特にメタバースの存在は仮想空間の中で疑似的な体験ができるという特性があり、不妊治療不成功の患者に様々なライフコースの選択を行ううえで大きな可能性を感じた。不妊治療不成功後に例えば、里親・養親になる、あるいは二人での生活をするというライフコースを仮想空間の中で経験できるということができれば患者のライフコース選択にとって大きな有用性があると考えられた。しかしながら、メタバース技術についてはまだ不透明なところがあり、さらには経済的にも厳しいことが予想され、さらには社会への普及が未熟が状態であることを鑑みて今回は見送ることになった。メタバースを扱う企業とのミーティングなどで少し予定が遅れることになったが、それでも、その後は大きな遅れもなく研究計画は順調に進んでいるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年5月中に研究代表者、分担者、協力者は各々の専門領域の動画を録画し、Youtubeのデジタルコンテンツを作成する予定である。6月の獨協医科大学埼玉医療センターの倫理委員会でデジタルコンテンツを①前向きコホート研究に参加した患者50組を対象にして8月からデジタルコンテンツを視聴してもらい、その評価のためのアンケートを開始する予定である。それらの調査結果をまとめて2025年2月の日本生殖心理学会で報告する予定である。そして、そのアンケート結果をもとにデジタルコンテンツをブラッシュアップし、完成させる予定である。
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