研究課題/領域番号 |
23K21510
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補助金の研究課題番号 |
21H03174 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
伊藤 ゆり 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (60585305)
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研究分担者 |
澤田 典絵 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (00446551)
東 尚弘 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (10402851)
小村 和正 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10789853)
藤阪 保仁 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (50411369)
鈴木 久美 大阪医科薬科大学, 看護学部, 教授 (60226503)
谷口 高平 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70779686)
浅石 健 大阪医科薬科大学, 医学部, 助教 (80751883)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | サバイバーシップ / がん対策 / ライフコース / がんサバイバーシップ / がん疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、がんサバイバーにとって発症前・診断・治療・回復までの様々な短期・長期的要素がその後の人生のアウトカムにどのような影響を与えるのか?という学術的問いを解明することを目的としている。がんサバイバーシップの複雑な要素と多様な人生のアウトカムとの関係を明らかにするために、①がんの発生・診断・治療・フォローアップの期間を通じた包括的データベースを前向きに構築し、②既存の大規模調査やデータベースを用いて、分析を行い、がんサバイバーにとって「がんとの共生」を実現しやすい環境をもたらすことが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では①がん登録やDPC、レセプト情報、診療情報、看護記録など既存の複数の医療系データベースを個人IDのリンケージにより研究利用可能な形式として再構築し、②従来収集できていなかった患者の診断・治療中~後の主観的情報や生活習慣を患者が入力できるモバイルツールを開発し、経時的に収集することで、Patient Journeyの各段階の課題を定量化できる多次元データベースを構築し、解決策を提示するための基礎・臨床・疫学・看護の橋渡し研究を行うことを目的としている。 2022年度は大阪医科薬科大学の院内がん登録データとDPCをリンケージしたデータベースを用いた予後分析やバイオバンクデータと生活習慣アンケートに関する集計に関して学会発表を行った。 また、JPHCスタディのデータを用いて、約20000人のがんサバイバーデータを用いてがん種や進行度、診断前後の生活習慣がその後の予後(Conditional survival)にどのように影響を与えるかを分析し、論文報告の準備を行った。 患者体験調査のデータを用いて、患者の就労継続や経済的な理由による治療変更などに影響を及ぼす要因を分析し、第80回がん対策推進協議会において参考人としての報告に引用した。がん患者の療養・就労両立支援に関する客観指標として、JMDCデータを用いて療養・就労両立支援算定料の利用割合を算出し、学会発表を行った。 診断・治療中~後の主観的情報の収集に関しては、がん患者の苦痛のスクリーニングに関しての分析を行い、論文投稿をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は大阪医科薬科大学の院内がん登録データとDPCをリンケージした約38000件のデータセットやバイオバンク事業に同意した患者の生活習慣アンケートを用いて、居住地に基づく社会経済指標と予後との関連についての分析や対象者の集計結果に関してまとめ学会発表を行った。また、バイオバンクデータと院内がん登録データをリンケージしたデータベースでの研究の可能性について、システマティックレビューを行った。 JPHCスタディのデータのうち約20000人のがん診断症例と性年齢によりマッチングした非がん者を用いて、がん種、進行度、生活習慣や居住地による困窮度の影響などを分析した。非喫煙者では喫煙者・過去喫煙者と比べ、非がん者と近い死亡リスクになるまでの時間が短かった。IACR・国立がん研究センターとの合同研究会議において、プレリミナリーな結果について共有し、欧州の結果との比較可能性について議論した。また、住民ベースのがん登録を用いて、診断から何年後に一般集団と同等の死亡リスクになるかについて検討し、学会発表を行った。患者体験調査のデータを用いて、患者の就労継続や経済的な理由による治療変更などに影響を及ぼす要因を分析した結果については、論文にまとめているところであるが、一部結果については第80回がん対策推進協議会の参考人報告において引用され、就労継続・経済的な理由による治療変更において、不利なサブグループが存在することを示した。 診断・治療中~後の主観的情報の収集に関しては、がん診療連携拠点病院における苦痛のスクリーニングの分析を行い、社会的な苦痛のスクリーニングの実施割合が若干低いことについて論文投稿した。主観的情報の収集に関する項目検討はま今後看護分野とも連携し、苦痛のスクリーニングの活用も含め、文献等の検討に基づき進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
大阪医科薬科大学の院内がん登録およびDPCデータをリンケージしたデータセットやバイオバンクデータ、生活習慣アンケートを用いて、各がんについて、臨床医とともに詳細の分析を進めていく。同時に、JMDCデータベース等、商用データベースも活用し、がんサバイバーの社会的アウトカムに影響を与える指標について、分析を進める。また、既存情報では収集できていないが患者の予後やQOLに影響を与える要因を検討するために、苦痛のスクリーニングの枠組も活用しつつ、追加で収集する方策を検討する。当院の苦痛のスクリーニングに関しても、データベース化されているため、融合データセットへの組み込みを検討し、QOLや予後との関連分析を行う。バイオバンク事業の生活習慣アンケートについては2023年度にもリマインドによるデータ収集の強化を行う予定である。 JPHCスタディのがんサバイバーデータによる分析は、生活習慣によって、その後の予後がどう変化するのかを表現できるような解析結果にまとめ、論文の投稿を行う。特に、住民ベースのがん登録データと併せて検討することにより、一般集団と同じ死亡リスクに到達するのは喫煙者では〇〇年、非喫煙者では〇〇年というような表現で、診断後の生活習慣の影響がわかりやすい提示方法を検討する。 患者体験調査に関しては、患者の人生のアウトカムの一つでもある就労継続や経済的困難の回避などにどのような背景因子が影響するのかについてこれまで分析した結果を論文として報告する。 QOLやPROを計測するシステムは、生活習慣アンケートのアプリケーションで適用できるものの、項目設定に関しては先行研究によるさらなる吟味が必要である。臨床医や看護分野と協働して研究課題に即した項目設定を検討する。
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