研究課題/領域番号 |
23K21511
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補助金の研究課題番号 |
21H03175 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
山敷 宣代 関西医科大学, 医学部, 講師 (90420215)
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研究分担者 |
長沼 誠 関西医科大学, 医学部, 教授 (00265810)
村田 美樹 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10533416)
池田 俊一郎 関西医科大学, 医学部, 講師 (40772231)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | e-health / アルコール性肝障害 / アルコール使用障害 / スマートフォンアプリ / 医療言語処理 / eHealth / e-Health / アルコール性肝疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、禁酒・節酒行動を支援するアプリの実証実験と開発を通じ、1) 動機づけとモニタリングのための指標の可視化、2) 禁酒アプリを用いた介入の有効性評価、3) テキスト言語処理を用いた身体症状評価を主目的としている。副次的目標として 4)入力テキストの自動要約解析を予定している。
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研究実績の概要 |
近年肝硬変、肝細胞癌の原因として増加しているアルコール性肝疾患(Alcoholic liver disease; ALD)では、治療の首座をなす禁酒指導、依存症治療、効果判定には多職種の介入や診療のスキルを要し、意欲維持は患者の主体性に依存している。コロナ禍の中デジタル化が求められる今日、医療者への負担を増すことなく治療効果を確認し、治療継続を促すためのモバイルアプリ「禁酒日記アプリ」を開発してきた。2023年度には以下の検討を行った。 自施設に入院したアルコール性肝疾患患者の後ろ向き観察研究において臨床所見や検査所見に加え退院後の飲酒行動(禁酒/節酒/飲酒継続)が予後に関連するかを検討したところ禁酒および節酒と比較し飲酒継続群の予後が不良であることを報告した。また禁酒アプリを用いた前向き介入研究においては初期14例のデータを解析、14例中10例で8週間の介入を完遂し、うち5例は禁酒を完遂した。日記の記入も観察日数の44%において入力が確認できた。飲酒量を反映するバイオマーカーとして血清 γGTP、 MCV、 AST/ALT比、 %CDTを測定、アプリ介入症例中の禁酒成功例と非成功例での傾向を比較した。また介入群とは別の観察研究のコホートにおけるバイオマーカーの推移について比較検討を行った。研究分担者の池田らは精神科における看護介入の意義や、多職種連携の有用性について解析を行い報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)観察研究データおよび介入研究データの解析を行い学会報告を行った。また研究分担者らはその介入手法についての検討解析を行った。 2) 禁酒アプリを用いた介入の有効性評価:血液検査、質問票による客観的評価を行い論文報告をした。 3) テキスト言語処理を用いた身体症状評価:当初介入中の身体症状について、症状スタンプを使用するなど、アプリの使用感を高める開発を実施したが、データを十分に得ることができなかった。 4)入力テキストの自動要約解析:実臨床からの長文サンプル数が乏しく実施に至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度となるため、1)有意であったバイオマーカーや日記アプリ記載を実臨床で短時間に使用可能なレベルかどうか検証する。2) 禁酒アプリを用いた介入のSF-36解析結果と精神面の評価についての結果をとりまとめる。「3) テキスト言語処理を用いた身体症状評価」と「4)入力テキストの自動要約解析」については進捗が乏しいため、最終年度にはその問題点や課題を見直し次期研究計画を策定したい。
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