研究課題/領域番号 |
23K21521
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補助金の研究課題番号 |
21H03207 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
松田 智大 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (60370954)
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研究分担者 |
澤田 典絵 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (00446551)
シャルヴァ アドリアン 順天堂大学, 国際教養学部, 講師 (00739716)
ガテリエ ローリン 国立研究開発法人国立がん研究センター, その他部局等, 研究員 (10875610)
西田 俊朗 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, 客員研究員 (40263264)
中田 佳世 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん対策センター政策情報部 部長補佐 (50468279)
金原 里恵子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 研究員 (60887305)
宮代 勲 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん対策センター 所長 (80501824)
田渕 健 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室), 小児科, 医長 (50292941)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | がん / がん登録 / コホート研究 / 上部消化管がん / フォローアップ / 予後因子 / QOL / 長期フォローアップ |
研究開始時の研究の概要 |
悉皆性のある東京および大阪の住民ベースのがん登録に基づいて、代表的な胃がん患者集団を設定する。ハイボリューム医療機関を中心に協力 を求め、偏りのないリクルートを計画する。最低限150例の患者コホートを3年間(試験期間6ヶ月+募集期間30ヶ月)での募集をする。ベース ライン調査に加え、大規模コホート研究のノウハウを利用して6ヵ月後、12ヵ月後、18ヵ月後、24ヵ月後に追跡調査を行う。治療法を含む多面 的なデータは医療情報および質問票から収集し、追跡調査では、疾患特性、診断前後の行動・生活習慣因子、集学的治療、治療へのコンプライ アンスなどが患者の生存およびQOLに与える影響を評価する。
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研究実績の概要 |
住民ベースのがん登録のデータに基づき、偏りのない患者の抽出をすることが本研究の主目的の一つであったため、全国がん登録の公表値及び院内がん登録の0年集計に基づいて、東京都及び大阪府における協力医療機関候補の上部消化管がんの患者数を算出した。2019年の全国がん罹患数によれば、食道(C15)男21,719、女4,663、胃(C16) 男85,325、女38,994、であり、国立がん研究センター中央病院C15:501、C16:740、東京都立駒込病院C15:253、C16:358、大阪国際がんセンターC15:456、C16:675、大阪病院C15:34、C16:177であった。このうち、プロトコルに従って150例をリクルートする計画を立てた。 共同研究相手であるオランダ国立がんセンター(IKNL)から博士課程学生を招聘し、全国がん登録情報に基づいて国立がん研究センター中央病院の電子カルテシステムから医療情報(EHR)を抽出するパイロット研究を実施した。食道がんまたは胃がんと診断された患者を、日本(2016-2019年)またはオランダ(2015-2020年)の情報を抽出し、年齢、性別、ステージ、治療、化学療法のレジメン等に基づき生存率をKaplan-Meier法を用いて算出した。結果は英文論文として投稿中である。 また、令和3年度から繰り越した研究費に基づいて、患者報告アウトカムシステム(ePRO)を利用した長期フォローアップのシステムを作成した。具体的には、①疾患特性:がん登録データよるがん情報と医療記録からの補完、②患者の属性:性別、生年月日、居住地、併存疾患、および全身状態、③治療、ケアパターン、④行動・生活習慣因子:喫煙、アルコール摂取量、身体活動、BMI等、⑤生活の質:QOL(EORTC-QLQ-C30、QLQ-OG25)を継続的かつ電子的に患者が入力するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オランダでの比較対象となる研究にて、対象患者に食道がんを入れたいという申し出があり、プロトコルの修正や患者数の算出をやり直した。また、世界的な新型コロナ蔓延により、研究協力施設の選定等が難航したため。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、公表値を用いたベース調査、実現可能性のパイロット調査、患者を長期にフォローアップするためのシステム構築に時間を費やした。医療機関における上部消化管がん患者の情報収集の煩雑さを実感し、また患者自身が継続して情報を入力することの負担などを整理した。ePROを利用して、ほぼ完成したシステムを活用しての情報収集は、国立がん研究センターがん対策研究所において、既に同様の仕組を活用したことがある研究者に意見をきき、運用方法を精査して、協力医療機関との調整を経たシステムの微修正を令和5年度前半に行う予定である。システムや運用方法の修正に基づいた最終的な研究プロトコルの倫理審査の通過を目指す。令和5年度後半には、こうした作業に基づき、実際の患者のリクルートを開始して、研究の遅れを取り戻したいと考えている。
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