研究課題/領域番号 |
23K21526
|
補助金の研究課題番号 |
21H03214 (2021-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
劉 金耀 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (60379956)
|
研究分担者 |
山野 聖子 山口大学, 総合技術部, 課長 (00448276)
姫宮 彩子 (白鳥彩子) 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90593301)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | 心臓性突然死 / 脂肪性肝疾患 / 飲酒 / 栄養アンバランス食 / 交感神経活性化 / 非過剰飲酒 / 低炭水化物・高タンパク質食 / 進行性脂肪肝疾患 / アルコール / 心血管イベント |
研究開始時の研究の概要 |
継続課題のため、記入しない。
|
研究実績の概要 |
【研究の内容】1.遺伝子組み換えマウスを繁殖し、非過剰飲酒と低炭水化物・高タンパク質(LCHP)食により進行性脂肪肝疾患と致死性不整脈発生リスクの高い複合病態マウスモデルを作製した。2.1のマウスの心筋と肝臓組織を用いて、線維染色・多重蛍光免疫染色およびPCRにて、線維組織の定量、炎症反応を指すCD68・TNFαと線維形成を指すcollagen 1a1の遺伝子発現量を調べ、進行性脂肪肝疾患における心臓性突然死発症リスクを確認し、肝臓と心臓の交感神経活性化、心筋の線維形成とギャップ結合蛋白質合成関連遺伝子の変動を確認した。3.1のマウスの心筋と肝臓組織のtotal RNAを用いたRNA-seq網羅的分析を用いて脂肪肝を呈する死因不詳症例の鑑定マーカーを探索した。4.成果は第107次日本法医学会学術全国集会および第40回日本法医学会学術中四国地方集会に公表し、英文雑誌へ投稿した。 【研究の意義】進行性脂肪肝疾患と致死性不整脈発生リスクの高い複合病態マウスモデルを樹立するとともに、交感神経活性化への着目から心臓と肝臓の交感神経活性化、進行性脂肪肝疾患を伴う心筋間質性線維形成亢進、ギャップ結合蛋白質合成関連遺伝子のアップレギュレーションが脂肪肝を伴う死因不詳解剖事例の死因究明の鑑定根拠確立につながる可能性が示唆された。RNA-seq網羅的分析の肝臓血管バリア機構と心筋コラーゲン生成の関連遺伝子群発現量の変動に加え、心筋ギャップ結合関連因子Cx43の増加および心筋間質性線維形成の成果が脂肪肝を呈する死因不詳症例の鑑定マーカーとなる可能性が示唆された。 【研究の重要性】本研究の成果から、進行性脂肪肝疾患における致死性不整脈発生リスクの高い合併発症と死因との因果関係の解明とともに、突然死診断マーカーや新規治療薬の開発に重要性があることが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画を実施し、研究成果は国内・国際学会に発表、アルコールの権威英文雑誌に投稿した。
|
今後の研究の推進方策 |
1.遺伝子組み換えマウスを繁殖し、進行性脂肪肝疾患と致死性不整脈発生リスクの高い複合病態マウスモデルを作製する(担当: 山野聖子)。 2.1のマウスに、マイクロポンプでcarvedilolを3週間投与した後に、不整脈誘発試験を行い、Carvedilol投薬により進行性脂肪肝疾患と致死性不整脈合併発症の是正を確認する(担当: 劉金耀)。 3.2023年度(R5)のマウスの心臓と肝臓RNA-SEQデータの解析結果を用いて、進行性脂肪肝疾患と心臓性突然死合併発症における有意に発現量が変化する遺伝子を同定する(担当: 劉金耀、山野聖子)。 4.積水メディカルより購入したヒトの脂肪性肝疾患(飲酒歴ありおよびなし)と健常者ドナーの肝臓組織を用いたPCRを行い、モデルマウスにて同定した有意に発現量が変化する遺伝子をヒト組織にて確認する(劉金耀)。 5.2から4の血液化学検査・病理学検査・組織細胞生物学・分子生物学の成果から、進行性脂肪肝疾患・心臓性突然死合併発症の制御機序を解明し、脂肪性肝疾患における心臓性突然死鑑定マーカーを見出す(担当: 劉金耀)。 6.研究成果を学会並びに英文学術誌で発表する(担当: 劉金耀、山野聖子)。
|