研究課題/領域番号 |
23K21528
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補助金の研究課題番号 |
21H03219 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
向井 加奈恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30755335)
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研究分担者 |
小倉 康平 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00586612)
中谷 壽男 金沢大学, 保健学系, 研究協力員 (60198124)
中島 由加里 金沢大学, 保健学系, 助教 (40846680)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2024年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 糖尿病性潰瘍 / 皮膚創傷治癒 / エストロゲン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、糖尿病性潰瘍における新規ケア方法創出に向け、修復因子と治癒機転を阻害する増悪因子の除去の双方の機能を有するエストロゲンに着目し、糖尿病性潰瘍における非感染創並びに感染創でのエストロゲンの有効性を明らかにすることを目的とし、実施する基礎研究である。本研究成果により、糖尿病性潰瘍における新規ケア方法創出としての基礎的データの蓄積とその実現可能性が明らかとなり、創傷治癒学へのあらたな知見の波及効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
糖尿病性潰瘍は重症化すると下肢切断を余儀なくされる症例も多く、発症初期段階で効果的な糖尿病性潰瘍のケアを開始することは極めて重要である。従って本研究では、修復因子と治癒機転を阻害する増悪因子除去の双方の機能を有する可能性があるエストロゲンに着目し、糖尿病性潰瘍におけるエストロゲン等が創傷治癒関連因子(サイトカイン等)に与える効果の検証、糖尿病性潰瘍の皮膚常在細菌叢由来感染モデルの作製並びに糖尿病性潰瘍の皮膚常在細菌叢由来感染モデル皮膚創傷へのエストロゲンの有効性を明らかにすることを目的とする。研究目的達成のために、下記を実施した。 1. db/dbマウス皮膚創傷に関する研究成果を学会発表として公表した。また、糖尿病モデル皮膚創傷の治癒遅延要因の探索に着手した。浸出液中からのタンパク質の採取方法を文献等をベースにプロテオーム解析の専門家のコンサルテーションを受けながら検討し、メッシュによる採取方法を採用した。採用した採取方法を用い、浸出液からのタンパク質抽出方法並びにプロテオーム解析での同定タンパク質数を確認し、分析方法の妥当性を確認した。また、db/dbマウス皮膚創傷からの浸出液を採取した。 2. 被覆材の種類の違いによる浸出液量・創治癒への影響に関する研究成果を学会発表として公表した。投稿論文は現在査読中である。 3. db/dbマウス並びにdb+/-マウス皮膚創傷におけるStaphylococcus属細菌感染創のエストロゲン投与による創傷治癒過程の評価として創面積比を分析した。組織サンプルからRNAを抽出し、炎症性サイトカインの発現量を分析した。また、OCT包埋した組織サンプルを用いてHE染色による再上皮化率の分析、炎症性細胞(好中球とマクロファージ)の免疫組織学的染色を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
修正計画に応じて、2023年度に予定していた実験はおおむね実施できているため、おおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は最終年度として、以下の実験や分析を行い、成果をまとめる予定である。 1. 糖尿病性潰瘍においてエストロゲン等が創傷治癒関連因子に与える効果の検証:被覆材の違いによる創傷治癒過程への影響について、査読中の論文対応を継続する予定である。また、糖尿病モデル皮膚創傷での創傷治癒関連因子の分析結果について論文としてまとめる予定である。さらに、浸出液中のタンパク等の解析による治癒遅延要因の探索実験に関してデータ分析を行う予定である。得られた結果は研究組織内での検討や必要時各種専門家へのコンサルテーションを行い、成果をまとめる予定である。 2. 糖尿病性潰瘍の皮膚常在細菌叢由来感染創モデルの作製並びに糖尿病性潰瘍の皮膚常在細菌叢由来感染モデル皮膚創傷へのエストロゲンの有効性の検証:現在までに皮膚常在細菌叢が惹起させる感染創モデルとしてStaphylococcus属細菌による感染創作製と糖尿病モデル皮膚創傷でのサンプル採取が完了している。これらのサンプルや画像データ等を使用し、組織学的・生化学的分析を継続して進める予定である。得られた結果は研究組織内での検討や必要時各種専門家へのコンサルテーションを行い、成果をまとめる予定である。
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