研究課題/領域番号 |
23K21539
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補助金の研究課題番号 |
21H03234 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 山形県立保健医療大学 |
研究代表者 |
安保 寛明 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00347189)
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研究分担者 |
高谷 新 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (40882783)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 精神保健 / ワークエンゲイジメント / 看護師 / 復職 / WHO-5 / UWES / 看護管理 / マネジメント行動 / 精神健康 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の期間全体では、複数年間で看護師のワークエンゲイジメントを含む就業に関する心理社会的要素を調査している。IDの対応をつけることで追跡調査が可能なデザインとしており、ある時点のワークエンゲイジメントがその後のワークエンゲイジメントの得点や就業継続の意思、実際の就業状況への影響を与えるかを研究する。
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研究実績の概要 |
本研究は、東日本の3県で働く看護職者を対象に、ワークエンゲイジメントと関連要因、特に組織要因を縦断的に調査するものである。東日本の3県にある医療機関及び訪問看護ステーションの全てに対して調査を依頼し、承諾を得られた機関に質問紙調査を行った。1035名の看護職者から回答を得て、このうち158人が訪問看護ステーションの職員であった。 本研究で調査した項目は、日本語版Utrecht Work Engagement Scale(UWES)短縮版によるワークエンゲイジメント、WHO-5による精神健康度、管理職者がおこなう職場内のマネジメント行動に関する評価、年齢や所属部署などの属性であった。回答を得た1035名のWHO-5 、UWESの平均値はそれぞれ10.75と2.67であり、このうち病院勤務者は874名で平均がUWES-Jの平均(標準偏差)が2.58(1.07)、WHO-5は10.44(5.22)であった。 管理職者の回答とマッチングできた病院勤務者のデータを用いてUWESの得点と年齢、WHO-5の得点には相関があった。以降の分析は翌年度以降の調査結果と組み合わせて縦断的な影響を明らかにする予定である。
また、研究活動の一環でルーマニアにあるCraiova医科薬科大学に招聘をうけて赴き、これまでに研究者らが行ってきた看護職者のワークエンゲイジメントとその組織要因に関する研究の発表を研究者らで行った。医療職者のワークエンゲイジメントに関する研究は国際的にはオランダと日本ではいくつか知見があるが世界的には知見が多くない分野であるため、概念を広める契機となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初に想定したよりも新型コロナウイルスへの対応や社会生活の停滞が長期化したため、医療職者を対象にした調査は行いにくい状況が続いた。そのため、予定した調査を遅らせて実施することとした。 しかし、調査の規模は変更しないこととしたほか、WEBからの入力だけだと施設内でインターネット端末を用いることが難しい医療者の回答が得られにくくなることなどから、郵送による調査回答方法を併用することにした。それらの調査方法の変更などの結果、当初に想定した回答数にやや近い回答を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、東日本の3県で働く看護職者を対象にワークエンゲイジメントと関連要因、特に組織要因を縦断的に調査するものである。これまでに1035名から調査協力を得ているため、今後は追跡調査を行うことで各要因がワークエンゲイジメントや精神健康度に与える影響について経時的影響を分析する。 また、本研究の主たる着眼点のひとつにワークエンゲイジメントの向上に寄与する管理職者の行動があるが、この管理職者の影響力については組織の凝集性や文化的意味合いといった社会学的な知見を複合的に分析することが研究分野を豊かにすることになる。その点で、尺度の言語的な制約で日本と西欧での研究結果が多くみられる現状をより深めるため、東欧やアジアの言語に翻訳することの支援を行うなどして多国間比較を行えるようにすることが望ましいと考えている。この点で、本研究者グループと5年以上にわたって交流のあるルーマニア国Craiova医科薬科大学との知見の交換や現地語(ルーマニア語)への翻訳の支援などを行う。また、アジア圏域内での本研究のパートナーシップ校を探すこととし、本研究分野の国際的な発展にも取り組むこととする。
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