研究課題/領域番号 |
23K21545
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補助金の研究課題番号 |
21H03241 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
長松 康子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (80286707)
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研究分担者 |
本城 由美 (佐居由美) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (10297070)
中島 聡美 武蔵野大学, 人間科学部, 教授 (20285753)
伊藤 正哉 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 認知行動療法センター, 部長 (20510382)
小野 若菜子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (50550737)
光永 悠彦 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (70742295)
福神 大樹 兵庫医科大学, 看護学部, 助教 (80982941)
河野 杏奈 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 助教 (10911795)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2025年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | アスベスト / 中皮腫 / 教育 / 実装 / 看護 / ケアガイド / 在宅ケア / 緩和ケア |
研究開始時の研究の概要 |
胸膜中皮腫は難治性かつ症状コントロールが困難で、平均余命7.9ヶ月と病状悪化が早く、心身の艱難辛苦のうちに死に至る。遺族の悲嘆は長期かつ深刻なものとなる。患者と家族の生活の質を維持するためには、ニーズを予測して緊急的ケアを提供することが必須である。しかし、ケアニーズは多様で、看護だけでは対応できないものも存在する。そこで本研究は、多職種や支援団体と協働して、同一のナースが診断からグリーフまでをケアコーディネートしている英国を習って開発した「日本版中皮腫患者と家族への包括的ケア:胸膜中皮腫包括ABCケア」をモデル病院にてケアを実装・改善し、実現性を評価する。
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研究実績の概要 |
胸膜中皮腫は難治性かつ症状コントロールが困難で、平均余命7.9ヶ月と病状悪化が早く、心身の艱難辛苦のうちに死に至る。遺族の悲嘆は長 期かつ深刻なものとなる。患者と家族の生活の質を維持するためには、ニーズを予測して緊急的ケアを提供することが必須である。しかし、ケ アニーズは多様で、看護だけでは対応できないものも存在する。そこで本研究は、多職種や支援団体と協働して、同一のナースが診断からグリ ーフまでをケアコーディネートしている英国を習って開発した「日本版中皮腫患者と家族への包括的ケア:胸膜中皮腫包括ABCケア」をモデル 病院にてケアを実装・改善し、実現性を評価する。 2023年度は、「胸膜中皮腫包括ABCケア」を実装するために、①2022年度にパイロット研究で効果が検証された「看護師向け胸膜中皮腫包括ABCケア教育プログラム」を実施し、43名のバディナースを新たに排出した。②神奈川県の急性期病院および訪問看護師と連携し、急性期病院を退院した胸膜中皮腫患者への訪問看護・緩和ケア導入を推進した。その結果、「胸膜中皮腫包括ABCケア」が提唱する「途切れないケア」を2例に実現した。③教育プログラムを受講したバディナースを英国に派遣し、英国人中皮腫ナースの活動を実際に学んだ。 胸膜中皮腫患者遺族のグリーフケアも継続して実施した。 胸膜中皮腫患者と遺族が苦しむ被害感情や複雑性悲嘆に焦点をあてた「認知行動療法」に関する講演会を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「看護師向け胸膜中皮腫包括ABCケア教育プログラム」を実施して新たに43名のバディナースを輩出したほか、プログラムの効果をランダム化比較試験によって確認した。 新型コロナ感染症で実施できなかった英国研修を実施し、来年度に「看護師向け胸膜中皮腫包括ABCケア」を実装する4人の看護師が、医師、患者支援団体、弁護士との連携などについて、英国の中皮腫ナースから直接指導助言を受けた。 「看護師向け胸膜中皮腫包括ABCケア」が提唱する「途切れないケア」実現において重要な急性期病院と訪問看護の連携が成功した事例を経験した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年は、協力医療機関において「胸膜中皮腫包括ABCケア」を実装する。 2024年前半に、協力医療機関の看護部及び担当医師と協議して「胸膜中皮腫包括ABCケア」の実施項目決定、胸膜中皮腫患者台帳の開発、電子カルテの整備を行う。その後、倫理申請を行い、2024年後半より「胸膜中皮腫包括ABCケア」を実装する。2024年10月に英国より中皮腫ナースを招聘し、「胸膜中皮腫ABCケア」実装について助言を受ける。 「急性期病院・訪問看護ステーションの看護師と患者支援団体が共同して途切れないケアを実現した胸膜中皮腫患者に関する事例報告」、「バディナースによるアスベスト被害者に対するグリーフケアの効果:経過報告」、「看護師向け胸膜中皮腫包括ABCケア教育プログラムの効果」について学会報告を行う。「看護師向け胸膜中皮腫包括ABCケア教育プログラムの効果パイロット研究」については国際誌に成果発表を行う。
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