研究課題/領域番号 |
23K21553
|
補助金の研究課題番号 |
21H03252 (2021-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
|
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
篁 宗一 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (60362878)
|
研究分担者 |
松浦 佳代 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 講師 (30807798)
近藤 美保 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (40566064)
遠藤 りら 東都大学, 沼津ヒューマンケア学部, 講師 (40621868)
猫田 泰敏 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (30180699)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | メンタルヘルスリテラシ / 早期介入 / 自殺予防 / 大学生 / メンタルヘルスリテラシー / メンタルヘルスリテラシー 早 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、大学生に対するメンタルヘルス支援プログラムの開発を行うことである。最終的には「早期介入」の実現を目指すこととする。その手段としてメンタルな問題が好発する大学生に対し、糸口としてアクセシビリティの高いSNS (Social Networking Service)を活用した支援プログラムの開発と“メンタルヘルス”リテラシー向上についての縦断的効果評価を行う。具体的方法としては、A 学内外のメンタルヘルス相談機関との連携 B プログラム内容の開発・選定 C プログラムの実施 D 専門職者間での共有とフォロー E 効果評価 F 最適な支援体制の整備を行う。
|
研究実績の概要 |
以下のA~Fを行った。 A学内外のメンタルヘルス相談機関との連携:精神保健福祉センターの精神科医や保健師ら、学校関係者、心理職、教員などの教育関係者らと引き続き情報交換を行った。またメンタルヘルスの当事者にもインタビューを行った。Bプログラム開発:卒後10年までの元大学生15名に対してインタビュー調査を行い開発の資料とした。内容は大学生に有効なストレス対処とした。内容分析の結果、以下が提起された。「休息をとる」ことの重要性、睡眠や栄養、運動の確保などの「セルフケア」、ストレスを溜め込まないようにする「早期の対処」、友人や家族らとの「コミュニケーションとネットワークの確保」であった。 C プログラムの実施準備:自殺対策に対応するプログラム実施に向けた準備を行った。SCの相談実態を明らかにするためインタビューを実施した。15年以上の経験がある5名を対象とした。内容分析の結果、【事例の傾向と背景】のカテゴリーでは、<リストカットの流行>、<オーバードーズ(OD)の流行>、<新型コロナウイルスの影響>、<学校での支援の限界>、<トラウマを持った子どもの存在>等のサブカテゴリーから構成された。とくに若年層におけるODの流行と支援体制の乏しさ、背景にネットによる流行が明らかとなった。 D 専門職者間での共有とフォロー:大学での支援機関と協働して、SC等と情報交換を行った。メンタルヘルス状況の確認、大学の相談機関が抱える事例検討を定期的に行った。 E 効果評価/F 最適な支援体制の整備:SNSを活用した相談支援を実施した。対象者15名中、SNSを通じて4件の相談が寄せられた。内容は将来の事、対人関係、近親者の急な死に対する悲嘆等であった。SNSによる相談はアクセシビリティの点から優位性が明らかであった。その内1件は対面での相談にもつながりが得られたことから緊急対応にはネットと対面の両方の支援が必要であると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プログラム開発が複数準備できつつあり、相談体制の整備も行えているため。
|
今後の研究の推進方策 |
支援プログラムのさらなる開発とその実施による“メンタルヘルス”リテラシー向上についての効果評価を行う。そのための具体的方法としては、A 学内外のメンタルヘルス相談機関との連携をさらに行うこと B プログラム内容をニーズに応じて開発すること C プログラムの実施に向けた準備を行うこと D 専門職者間での共有とフォロー E 効果評価 F 最適な支援体制の整備を行う必要がある。上記のA~Dの過程を最終的な整備に至るまで、縦断的評価を繰り返しながら行っていく予定である。なお、Bプログラムの開発では、これまでに情報収集してきた内容を反映させ、さらに開発してきたプログラム内容を整理すること、これらのプロセスを通じて改善版の完成を行うこととする。それらを完成させた後に、Cの準備を早急に進めて、SNSでの相談体制の強化につなげる予定である。さらに専門家との情報共有を図りながら、支援の効果評価を行う必要がある。
|