研究課題/領域番号 |
23K21554
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補助金の研究課題番号 |
21H03253 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2022, 2024) 兵庫県立大学 (2021, 2023) |
研究代表者 |
谷口 麻希 (梅田 麻希) 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (40424311)
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研究分担者 |
井上 靖子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (00331679)
増野 園惠 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (10316052)
石崎 優子 関西医科大学, 医学部, 教授 (20411556)
古川 恵美 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20636732)
岩崎 美奈子 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (40846888)
林 知里 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 教授 (50454666)
福地 成 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (50641958)
山崎 知克 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90277088)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 社会的養護 / 里親 / 健康支援 / トラウマ / 子ども時代の逆境体験 / プログラム開発 / 家族看護 / 発達 / 児童思春期 / 地域連携 / 育児支援 / メンタルヘルス / 社会的擁護 / 家族支援 / コミュニティ / トラウマインフォームドケア |
研究開始時の研究の概要 |
里親家庭における子どもと家族の健康・発達課題を明確化するために、里親手記の分析と乳児院入所児の発達特性に関する研究を実施した。また、介入プログラムのシステマティックレビューや里親へのインタビュー調査を行い、効果的な支援方策を検討した。支援体制整備に向けた課題の明確化については、里親健康支援プログラムの試行的実施に加え、全国の児童福祉施設(乳児院・児童養護施設・フォスタリング機関等)を対象とした調査を行って検討した。
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研究実績の概要 |
全国の乳児院、児童養護施設、フォスタリング機関の里親支援専門相談員を対象に自己記入式調査を実施し、里親の健康問題と健康問題への支援を困難にする要因について検討した。その結果、301施設より回答を得て、回収率は38.8%であった。対応した里親の健康問題は、「身体疲労」(49.8%)、「里子との関係悪化」(39.9%)、「易怒性」(33.2%)であった。里子に関する支援で最も多かったのは「発達に関する問題」(66.1%)で、次に「愛着障害・試し行動」(61.1%)、「生活習慣」(58.5%)を挙げた者が多かった。最も困難であった事例の要因には、「自分の知識・スキル不足」(55.9%)が挙げられ、「支援者間の方針の不一致」(46.5%)、「里親からの理解・協力が得られない」(44.2%)と続いた。社会資源に関しては、相談しやすい専門職として「児童相談所職員」(73.8%)と回答した者の割合が最も高かった。強化したいスキルには、「子どもの発達や愛着」(24.9%)、「面接技法」(23.9%)、「地域の社会資源の情報や連携」(22.3%)を挙げた者が多かった。委託解除の有無をアウトカムとしたロジスティック回帰分析を実施した結果、相談件数の最も少ない群に比べて最も多い群で委託解除になるリスクが低いことが明らかになった(OR=0.295, 95% CI=0.110-0.791)。里親支援専門相談員が対応する里親の健康問題には、身体的・心理的・社会的側面が含まれていた。里親支援においても、子どもの発達や行動・生活上の問題に関する相談に多く対応しており、これらに関するスキルの強化が求められていることが示唆された。一方で、保健医療職である医師や保健師に相談しやすいと回答した者は3割に満たず、児童福祉と保健医療との連携は、まだ不十分であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスへの対応などから実施が遅れていた全国調査を実施し、里親の健康問題と健康問題への支援を困難にする要因について検討することができた。2022年度に実施を計画していた海外での情報収集に関しては、渡航により実施することはできなかったが、文献からの情報収集や国内の関係者からのヒアリングなどを通じて、研究の遂行に必要な情報を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
全国調査および文献レビューの結果を学術雑誌に出版する。また、本研究プロジェクト内で実施した調査や試行プログラムにより明らかになった知見を社会に還元するために、情報提供と支援共創のためのホームページを作成する。ホームページ作成にあたっては、バーチャルコミュニティの活用による社会サービスの実装を行なっている研究者からの助言を得て、支援的なオンライン・プラットホームに当事者が参画するための方法論を探索的する。
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