研究課題/領域番号 |
23K21556
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補助金の研究課題番号 |
21H03255 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
大橋 優紀子 城西国際大学, 看護学部, 教授 (10706732)
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研究分担者 |
北村 俊則 株式会社北村メンタルヘルス研究所, 第一研究部, 所長 (30146716)
鈴木 大地 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国際医療協力局, グローバルヘルス政策研究センター 特任研究員 (50835832)
臼井 由利子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60821246)
羽田 彩子 株式会社北村メンタルヘルス研究所, 第二研究部, 研究員 (80821206)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ボンディング / ボンディング障害 / 愛着形成支援 / クラスター分析 / SPCE / クラスター / 測定不変性 / 基本的感情 / 自己意識感情 / 周産期メンタルヘルス / 早期関係性支援 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで、ボンディングの概念を再構築し、妊娠期から12歳まで使用可能なアセスメント法(SPCE)を開発した。そのデータに基づき、ボンディングの問題の類型解明を進め、いくつかの類型が明らかになった。本研究では、心理援助のトレーニングを受けた助産師等に対しスキルテストを実施し、それに合格した助産師等による、妊産婦への臨床支援の効果を評価する。その効果に基づき、ボンディングの類型ごとの支援反応性、必要なトレーニング等を再検討する。最終的に、初年度からの研究成果を通して、ボンディングの新アセスメント法、ボンディングの問題の類型、妊娠期からの早期ボンディング形成支援モデルとして提案する。
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研究実績の概要 |
ボンディング、すなわち、親の子どもに対する感情について、基本的感情と自己意識感情の点から、概念を再構築した。それに基づき、分担研究者羽田らが、乳児に対するボンディングアセスメント尺度scale for parent to baby emotions (SPBE)と、その短縮版SPBE-20を開発した。その後SPBEを発展させ、父親2236人、母親2264人のインターネット調査を実施し、父親母親/対胎児から学童期までを対象として測定不変性を確認した、the scale of parent to child emotions (SPCE)、およびその短縮版SPCE-18を開発した。これにより、臨床の幅広い対象についてボンディングをアセスメントできる強靭な尺度を得た。いずれも英文論文として発表済みである。 続いて、SPCEの構成概念の妥当性検証のための調査を実施した。Disgust(嫌悪)の妥当性検証に用いた Rozin et al.によるCADスケール、自己意識感情の妥当性検証として用いたThe Test of Self-Conscious Affect-3 (TOSCA-3)について、心理尺度特性の検討を進めた。 最終的に、父親母親4600人のデータから、SPCEの得点を指標としたクラスター分析を行い、ボンディングの類型(タイプ)の解明に至った。これまで、単純にボンディングの問題あるなしで論じられていた問題が、実は4つのクラスター(Lack of Bonding Emotions,Bonding Disorder, Ambivalent Bonding Emotions,Positive Bonding) に分かれると明らかになり、タイプに応じた支援を導く根拠を得ることができた。各クラスターの事例検討をし(論文投稿中)、今後は、タイプに応じた介入方法の実装研究を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題の成果として、これまでに、感情の点からのボンディングの理論構築をし、その測定法を開発できた。また、父親母親に対する大規模調査データのクラスター分析により、ボンディング障害の類型を明らかにできた。 しかしながら、各クラスターの事例を通した検討と、その解釈はまだ十分でなく、当初予定していた類型に応じた介入手法について、再検討をしている。また、既存のボンディング測定法の概念分析と統合した、ボンディング概念の統合的再構築も、現在進行中である。 以上からやや遅れているが、これまでより広範囲かつ細分化されたボンディングの議論がはじめられるところまで到達しており、実装に向け、慎重に計画をすすめていくことが必要と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
明らかになったボンディングの類型(タイプ)について、ケース(事例)に裏付けて、クラスター分析の結果の解釈を進め、ボンディング障害の類型を同定する。 その後、類型ごとの支援介入を検討し、支援への反応性を検証する介入研究を計画する。
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