研究課題/領域番号 |
23K21565
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補助金の研究課題番号 |
21H03265 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山添 淳一 九州大学, 大学病院, 講師 (30452717)
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研究分担者 |
柏崎 晴彦 九州大学, 歯学研究院, 教授 (10344516)
中野 敏昭 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10432931)
重村 憲徳 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40336079)
吉村 久美子 九州大学, 大学病院, 看護師 (70900794)
山口 優実 九州大学, 大学病院, 言語聴覚士 (90788605)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / 食支援 / QOL / 口腔機能 / 味覚センサー / 腎臓病食 / 食のQOL / 多職種連携 / 口腔機能管理 / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病(CKD)患者は蛋白、水分、塩分制限等の食事制限や運動量減少により、生活の質(QOL:Quality of Life)が著しく低下し、高齢患者では日常生活動作(ADL:Activity of Daily Living)が低下し、サルコペニア・フレイルが危惧される。本研究では、CKD患者の生活における困難感を軽減すべく、病状・生活状況・栄養状態・心理状態等を評価し、多職種で行う口腔機能管理・食支援における知識や技術の標準化及び質の向上を目的とするとともに、その成果を適切に周知・啓発する「多職種連携慢性腎臓病医療」の教材作成のための基礎資料を得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度は慢性腎臓病(CKD)患者のQOL評価を主要評価項目として、KDQOL-SF(the Kidney Disease Quality of Life Short Form))を用いて評価する観察研究を行った。口腔機能検査(味覚機能、舌圧、最大咬合力、舌口唇巧緻性、咀嚼機能、口腔湿潤度、口腔衛生状態、舌写真)と摂食状況評価(KTバランスチャートスコア、簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)、食の嗜好性に関するアンケート)を行い、口腔機能正常群と口腔機能異常群の食のQOLを統計学的に比較検討し、口腔機能がCKD患者の食のQOLに与える影響について解析した。患者の食品摂取量、栄養素摂取量、食行動指標の情報を得るため簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を使用する。BDHQについては、質問票記載後回収し、EBNJAPAN DHQサポートセンターに送付し、栄養状態と食事状況を費用を払って解析することとした。また、最も美味しく感じた腎臓病食と最も美味しくなかった腎臓病食を聴取し、同種のものを味覚センサで味質分析を行った。 口腔機能低下に対するリハビリテーション法と味覚低下を呈する患者の嗜好性に対応した食支援方法評価するため、長期療養型病院の臨床研究体制の整備を行なった。口腔機能検査や摂食状況評価、腎臓病食の調整には高齢者歯科・全身管理歯科の歯科医師、歯学研究院口腔機能解析学分野の管理栄養士、長期療養型病院の口腔ケアチームの看護師、言語聴覚士、栄養サポー トチーム(Nutrition Support Team:NST)の多職種連携チーム食支援体制を整備し、味覚センサーのデータに基づいた食支援が行うことができる環境とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度から度重なる新型コロナウィルス感染症の急拡大により臨床研究開始が大幅に遅れていたため、2023年度にようやく開始することができた。感染症に対し、重症化リスクが高いCKD患者へのベッドサイドへの臨床研究介入には慎重になら ざるを得なかったため、研究対象者のリクルートも予定通りに集まらず、臨床研究の進捗が大幅に遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
慢性腎臓病(CKD)患者の食のQOL低下に影響する口腔機能を検討し、その結果から機能低下を改善させるリハビリテーション法および対応策を多職種で考案する。特に味覚異常を呈する患者の嗜好性の高い食事および忌避性のある食事の味質分析を行い、味覚能と食の嗜好性、忌避性の関連性について解析する。これらのデータを、人工知能を用いた味覚能に応じた美味しい食事を提供するアルゴリズム構築のための強化学習を行う。 これらのデータをもとに長期療養型病院入院中患者を対象とした縦断研究を実施し、口腔機能(特に味覚)低下患者に口腔機能向上のリハビリテーションおよび食の嗜好性に応じた食支援を実施し、QOL向上につながるか評価する。
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