研究課題/領域番号 |
23K21589
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補助金の研究課題番号 |
21H03297 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
小島 翔 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (10780330)
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研究分担者 |
横田 裕丈 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (20827472)
長坂 和明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (70833812)
齊藤 慧 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (80707315)
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 機械的触圧覚刺激 / 体性感覚機能 / MEG / MRI / MRS / 触圧覚刺激 / 皮質応答 / 感覚機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,脳情報(脳機能,構造,神経修飾物質)を読み取る脳磁図(MEG)や磁気共鳴画像(MRI)などのデコーディング技術を用いて,触圧覚刺激による体性感覚機能変化に伴う皮質応答の特徴を解明するとともに,触圧覚刺激に対する個人特性を明らかにする.さらに,その結果を基盤に,体性感覚障害を呈する脳卒中患者の個人特性に合わせた触圧覚刺激法を開発し,その効果を検証する.これらの検証により,触圧覚刺激に対する皮質応答および個人差の解明と脳卒中リハビリテーションへの展開を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,①脳情報(脳機能,構造,神経修飾物質)を読み取る脳磁図(MEG)や磁気共鳴画像(MRI)などのデコーディング技術を用いて,触圧覚刺激による体性感覚機能変化に伴う皮質応答の特徴を解明するとともに,触圧覚刺激に対する個人特性を明らかにすること,②その結果を基盤に,体性感覚障害を呈する脳卒中患者の個人特性に合わせた触圧覚刺激法を開発し,その効果を検証することである.これらの検証により,触圧覚刺激に対する皮質応答および個人差の解明と脳卒中リハビリテーションへの展開を目指すことを最終目標としている. 2023年度は,触圧覚刺激介入の介入条件を改めて複数種類設定し,その介入効果と個人差を検討した.具体的には,周期的な刺激と非周期的な触圧覚刺激介入を30分間実施し,介入前後で体性感覚機能(二点識別覚閾値)に変化があるかを検討した.その結果,周期的な刺激介入によって感覚機能が低下する被験者が確認された.脳画像解析を追加で実施し,周期的な刺激介入によって感覚機能が低下する被験者の脳構造解析を実施したものの,有意な結果を得ることができなかった.一方で,触圧覚刺激の介入効果は,指先に対する刺激の方向識別能力を向上させることが明らかとなった.この結果は,これまで二点識別覚機能に対する効果を検証してきたものの,他の体性感覚機能に対しても触圧覚刺激介入が有効である可能性を示唆している.よって,今後は,これまでの結果を踏まえて,他の体性感覚機能に対する触圧覚刺激介入の効果を検証するとともに,MEGやMRIによる脳情報解析技術の結果と介入効果との関連を引き続き検討していく必要性があると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度では,各種触圧覚刺激介入が体性感覚機能に及ぼす影響を検討するとともに,MRI計測による脳構造との関連の検証に着手することができた.触圧覚刺激の介入効果は,被験者間でバラツクことが我々の実験でも再現されており,その介入効果の個人特性を明らかにするために,複数の脳機能計測を実施することができた.しかしながら,その個人特性の解明には至っていない.一方で,触圧覚刺激の介入によって指先に提示される触圧覚刺激移動方向識別能力が向上することが新たに発見することができた.特に,刺激面内を刺激が移動する動的な触圧覚刺激条件において,介入効果が認めれていたことは,我々のこれまでの研究成果である「触圧覚刺激の介入効果は触圧覚刺激の刺激パターンに依存する」ことを裏付けるものである.触圧覚刺激効果の新たな効果を発見することができた点は非常に順調であるものの,当初予定した脳機能情報を用いて介入効果の個人特性を解明するに至っていないため,今後,さらに検証が必要であると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,①他の身体機能に対する触圧覚刺激介入効果の検証,②各種脳機能計測の結果と触覚刺激の刺激介入効果との関連を中心に検討を進める.①に関しては,体性感覚機能の中でも二点識別覚機能を中心に介入効果を検証してきたが,2023年度の実績として,他の感覚機能に対する効果も確認することがた.これは触圧覚刺激が他の機能に対して有効である可能性を示したもので,その波及効果が期待できる.そのため,二点識別覚機能のみならず,他の体性感覚機能指標に対する介入効果も検証する.②に関しては,これまで計測することができたMEGによる脳皮質の興奮性や抑制性指標,MRIによる白質・灰白質の脳構造指標,fMRIによる安静時のネットワーク指標などの解析をさらに詳細に進め,触覚刺激介入による体性感覚機能変化に関連する個人特性の解明を進める.得られた介入結果を基に,脳卒中患者の体性感覚機能向上に向けた取り組みとする.
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