研究課題/領域番号 |
23K21611
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補助金の研究課題番号 |
21H03340 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 東京農工大学 (2022-2024) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
横山 光 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30896832)
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研究分担者 |
金子 直嗣 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (50969285)
中澤 公孝 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90360677)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 脳波 / 歩行 / 筋電図 / 脳深部 / MRI / パーキンソン病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的はヒト二足立位歩行の制御における中脳・視床などの脳深部領域の役割を最新の脳波計測・解析技術を組み合わせ解明することである。 近年、高密度脳波測定とMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像に基づく被験者ごとの詳細な脳モデルを組み合わせた手法により、脳深部電気活動を非侵襲的に測ることが可能と証明された。さらに、不可能と考えられていた歩行時の脳波測定も革新的手法により測定が可能となった。これらの手法により歩行時の脳深部活動を測定し、大脳皮質や、脊髄、筋など他領域との関係性からヒト歩行制御における脳深部領域の役割の解明を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はヒト二足立位歩行の制御における中脳・視床などの脳深部領域の役割を最新の脳波計測・解析技術を組み合わせ解明することである。 近年 、高密度脳波測定とMRI(Magnetic Resonance Imaging)画像に基づく被験者ごとの詳細な脳モデルを組み合わせた手法により、脳深部電気活動を非侵襲的に測ることが可能と証明された。さらに、不可能と考えられていた歩行時の脳波測定も革新的手法により測定が可能となった。 こ れらの手法により歩行時の脳深部活動を測定し、大脳皮質や筋など他領域との関係性からヒト歩行制御における脳深部領域の役割を解明する。 本年度は、脳波とMRIを組み合わせた脳深部の電気活動推定手法に関して、まずMRIの撮像方法、解析方法最適化を推進した。MRIの撮像方法を昨年度までのT1強調画像単体からT1強調画像に加えT2強調画像の撮像を追加した。また、詳細な撮像パラメーターの調節を行い、骨、脳、皮膚などの頭部組織をT1強調画像とT2強調画像を組み合わせることで分割しやすいようにした。さらに、最新の頭部組織分割法を導入した (チャーム法、SimNIBS toolbox, Puonti et al, 2020)。 10組織に分割された頭部画像から頭部導電モデルを有限要素法で作成した。そして、深層学習を使用して、全頭から取得した160chの脳波から脳深部の活動を推定する新規手法の検討を行ない、従来手法より高精度に推定可能という結果が得られた。 また、脳深部と脊髄活動の関係性を調べるために、脊髄活動を非侵襲的に調べる手法による歩行時の脊髄活動推定を行ない、研究結果を国際誌に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の大きな進捗としては、本研究の根幹技術である脳波とMRIを組み合わせた脳深部の電気活動推定手法で大きな進歩が見られたことである。具体的にはMRI撮像のパラメータ調節を詳細に行い、頭部構造の高精度分割が可能となった。さらに深層学習を取り入れることで、脳波から脳深部の活動を推定する新規手法も確立されつつある。以上のように脳深部活動を脳波から推定することは非常に困難であるが、問題を解決し、着実にその実現へ近づいている。
また、非侵襲的手法による脊髄運動ニューロン活動の歩行時の評価にも成功し、国際誌に1報論文を出版することができた。従来は筋内に針を刺さなければいけなかったが、皮膚状に貼った電極から単一のニューロン活動を評価に成功したことは今後の歩行の神経メカニズムの解明や歩行障害の病態理解への貢献が大きく期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はまず、脳波とMRIを組み合わせた脳深部の電気活動推定手法の精度検証を行う。 手首の神経に電気刺激を行い、感覚情報が上行し脳が応答する体性感覚誘発電位の脳深部活動を対象に検証を進める。手首→脊髄→脳幹→視床→体性感覚野と神経活動が生じることが先行研究で示唆されており、この活動が提案手法で見られるか検討する。 また、歩行の開始時に脳の深部領域が関わることが知られているので、歩行開始時の脳深部活動についても調べる予定である。年度の前半に歩行開始課題中の脳波計測実験を予定している。300回程度の歩行開始を繰り返してもらい、その際の脳波を計測する。そしてMRIから各個人の頭部モデルを作成し、脳深部活動の推定を行う予定である。これにより、視床や中脳に存在するであろう歩行誘発野と大脳皮質、脊髄でどのような神経活動が見られるか、また神経領域間の情報のやりとりを調べる。
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