研究課題/領域番号 |
23K21619
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補助金の研究課題番号 |
21H03353 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
久米 真司 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (00452235)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | カロリー制限 / 健康寿命 / ケトン体 / 寿命 / 絶食 / 腎臓 / 水電解質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、動物実験を用いた基礎実験を中心に、カロリー制限によってもたらされる臓器保護におけるケトン体産生とケトン体利用の役割、そして、これまで殆ど解明されてこなかった肝臓以外の臓器でのケトン体代謝の生理的意義、病態への関与を網羅的に解明することにある。さらに、基礎研究から得られたデータを元に、ヒトの種々のサンプルを用いた解析を加え、安全かつ有効なケトン体代謝制御を標的とする健康寿命延伸を目指した治療介入への可能性を探ることを最終目標としている。
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研究実績の概要 |
①腎臓局所のケトン体産生の役割の解明:ケトン体産生の主な臓器は肝臓であるが、腎臓においてもケトン体産生能を有することが過去に報告されている。しかしその役割については不明である。そこで我々は腎局所におけるケトン体の役割について、遺伝子改変マウスを用いて検討を行った。ケトン体の律速酵素であるHmgcs2に対して免疫染色を行った。次にSLC34a1CreマウスとHmgcs2 floxマウスをかけ合わせ、近位尿細管特異的Hmgcs2ノックアウトマウス(Hmgcs2-PTCKOマウス)を作製した。WTマウスとHmgcs2-PTCKOマウスの2群に分けて、24時間絶飲食下で蓄尿を行い、尿量および尿電解質を測定した。結果、絶食条件下でHmgcs2は近位尿細管細胞で特異的に発現することが確認された。Hmgcs2-PTCKOマウスは近位尿細管細胞でのHmgcs2の発現は低下したが、絶食時の血中のケトン濃度に変化は認めなかった。一方、飲食下において、Hmgcs2-PTCKOマウスはWTマウスと比べて、特異的な尿電解質異常を伴う尿量の増加を認めた。これらの変化は肝臓得意的Hmgc2欠損マウスでは確認されなかった。腎臓局所のケトン体産生が絶食時の体液管理に関わるという新たな生理機能が解明された。 ②その他臓器でのケトン体産生の役割の解明のため、各種臓器特異的Hmgcs2欠損マウス、各種臓器特異的Hmgcs2過剰発現マウスの作製を進めている。 ③各臓器でのケトン体利用の役割の解明のため、各種臓器特異的Oxct1欠損マウスの作製を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腎臓に関しては遺伝子改変マウスの作製が終了し、また他の臓器でもマウスモデルが順調に作成されつつある。また予期せぬ結果も生まれており研究全体に順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
①腎臓以外の骨格筋、脂肪、心筋、膵臓、神経(脳)特異的Scot、Hmgcs2欠損マウスを作製し、24時間絶食での機能変化を検討し、臓器ケトン体利用の生理的役割を解明する。 ②ケトン体による細胞機能制御機構について、細胞内栄養シグナル(mTORC1、AMPK、Sirtuins)との関連を蛋白翻訳後修飾β-hydroxybutyrylationに着目し分子機序を解明する。
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