研究課題/領域番号 |
23K21647
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補助金の研究課題番号 |
21H03400 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松田 安昌 東北大学, 経済学研究科, 教授 (10301590)
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研究分担者 |
石原 卓弥 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (30899662)
佐藤 宇樹 武蔵大学, 経済学部, 専任講師 (80848078)
李 銀星 東北大学, データ駆動科学・AI教育研究センター, 特任講師 (00845084)
矢島 美寛 東北大学, 経済学研究科, 客員教授 (70134814)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 空間主成分分析 / 空間データ / 因子モデル / 深層学習 / 高次元時系列 / 時空間データ / 予測 / 機械学習 / 人流 / 不動産取引 / 時空間回帰モデル / 関数回帰モデル / Cox空間回帰モデル / 時空間モデル / 空間パネルモデル / Cox比例ハザードモデル / 時空間ARMAモデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大規模な時空間データに現代的なデータ科学の理論と方法を積極的に応用し、社会科学への新たな知見を発見することを目的としている。近年の社会科学における大規模データは、時間の流れとともに、空間上の諸点で収集される時空間データとして観測されることが通常である。大規模時空間データ分析の理論と方法により、社会科学への豊かな応用を開くことを目指す。
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研究実績の概要 |
時系列ARMAモデルを拡張してユークリッド空間上の間数を値としてとるARMAモデルを提案した。Bayes法による推定法を考案し、精度のよい推定量を構成した。 空間データを空間上の関数を値として持つ関数データとみなし、時空間データを関数データのサンプルとみなして推定を行う、関数回帰モデルを時空間データ分析に応用した。本モデルを、市区町村別に週次に集計したコロナ新規感染者数のパネルデータに適用し、人流の増加と新規感染者数の間にみられる関連性を分析した。 マクロミルが保持するに3万人のモニターに対して、幸福度の調査を実施した。ここでモニターは沖縄を除く46都道府県に居住する日本人25,000人にサーベイした幸福度を従属変数とし、住所の郵便番号から空間上の位置を考慮した空間分析を行った。その結果、公共心が高い地域ほど幸福度が高くなるという興味深い分析を行った。 東京都下の不動産賃貸情報をスクレーピングで収集したビッグデータに対してCox比例ハザードモデルをフィットし、価格弾力性を評価した。ここで、価格弾力性を場所の関数としてニューラルネットワークモデルをあてはめて価格弾力性の地域変動を評価し、賃貸市場の地域特性を分析した。 国際研究集会Risk and Statistics, 3rd Tohoku-ISM-UUlm Joint Workshop(Oct 12-14, 2022)を東北大学にて開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
時空間ARMAモデルの開発と時空間回帰モデルの推定法を考案し、予定通りデータ分析を完了した。また、幸福度サーベイデータの分析に郵便番号から空間分析を行ったこと、不動産賃貸市場の地域特性分析にニューラルネットワークを応用したことを、挑戦的な成果であると評価している。
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今後の研究の推進方策 |
空間データの理論モデルを研究課題として推進してきたが、今後は社会科学への応用をさらに追及していく予定である。具体的には、回帰関数の不連続デザインを空間回帰において実行するモデルの開発する。さらに、州境や国境等で政策が分断されているときに、両側の従属変数にあたる変数の空間トレンドに差があるか否かを検定する問題に応用する。その際問題となるのは、1) 観測点の不規則性、2)空間相関を持つ誤差項の存在、3)バンド幅の決定法、4)帰無仮説(両側のトレンドに差がない)の下で漸近分布を導出すること等があげられる。本年度は以上の問題点を意識して取り組む予定である。
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