研究課題/領域番号 |
23K21689
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補助金の研究課題番号 |
21H03483 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
酒田 信親 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (40452411)
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研究分担者 |
河合 紀彦 大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (30610670)
佐藤 智和 滋賀大学, データサイエンス学系, 教授 (50362835)
清川 清 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (60358869)
磯山 直也 大妻女子大学, 社会情報学部, 講師 (70742021)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | ノイズキャンセリングHMD / 減衰現実感 / 減衰表現 / 隠消現実感 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は自分の視界をコントロールする研究として混雑環境下での視界中の人混み、もしくは、ある指定した人(達)以外の周囲の環境を視覚的ノイズとみなし、それらの存在感を減衰し、ストレス軽減や集中力向上を支援する視覚的ノイズキャンセリングヘッドマウントディスプレイ(NCHMD)の開発と有効性の評価を行う。視覚的ノイズキャンセリングを実現する具体的な手法として「視覚的ノイズとみなした群衆や周辺の環境をボケ、モザイク、モノクロ処理、縮小表示、半透明処理による存在感の減衰」を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は自分の視界をコントロールする研究として混雑環境下での視界中の人混み、もしくは、ある指定した人(達)以外の周囲の環境を視覚的ノイズとみなし、それらの存在感を減衰し、ストレス軽減や集中力向上を支援する視覚的ノイズキャンセリングヘッドマウントディスプレイ(NCHMD)の開発と有効性の評価を行う。 視覚的ノイズとみなした群衆や周辺の環境をボケ、モザイク、モノクロ処理、縮小表示、半透明処理によって存在感を減衰した映像をHMDで被験者に観察させ、不快感の緩和度や集中度を計測し、ストレス軽減や集中力向上の可能性があるかを明らかにする。 今年度は、雑踏環境中を全方位カメラで撮影した映像に対して、エンドツーエンドの深層学習を元にした既存の領域推定技術や一般物体認識によって人やモノの領域を推定し、その領域に対して前述のボケ、モザイク、モノクロ処理、縮小表示、半透明の処理を段階的な強度で施し、推定された領域中の人やモノの重要性が低い場合は、人々の存在感を減衰した映像(以後、群衆存在感減衰映像)を作成した。また、反対に推定された領域中の人やモノの重要性が高い場合は、その人やモノの領域以外に対して前述のボケ、モザイク、モノクロ処理、縮小表示、半透明の処理を段階的な強度で施し、雑然とした環境の存在感を減衰し、話しかけてくる人の領域だけが元のままである映像(以後、環境存在感減衰映像)を作成した。次に、作成した群衆存在感減衰映像をHMDで被験者に立位または座位の静止状態(首は動かせる)で観察させ、被験者が首を回転させるとそれに合わせて映像が変化する雑踏環境をVRで再現するものを構築した。そして、ユーザスタディとして、このような実験環境において視覚的ノイズ減衰処理の強度ごとにアンケートを行うことで、減衰強度と雑踏の人々から来る不快感の関係を測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
VR映像を被験者に見せた場合のVR酔の発生が問題となり、これに対処するためにVR酔を軽減するシステムを構築し、評価し、有効性を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も引き続き、雑踏環境中を全方位カメラで撮影した映像に対して、エンドツーエンドの深層学習を元にした既存の領域推定技術や一般物体認識によって人やモノの領域を推定し、その領域に対して前述のボケ、モザイク、モノクロ処理、縮小表示、半透明の処理を段階的な強度で施し、推定された領域中の人やモノの重要性が低い場合は、人々の存在感を減衰した映像(以後、群衆存在感減衰映像)を作成する。また反対に推定された領域中の人やモノの重要性が高い場合は、その人やモノの領域以外に対して前述のボケ、モザイク、モノクロ処理、縮小表示、半透明の処理を段階的な強度で施し、雑然とした環境の存在感を減衰し、話しかけてくる人の領域だけが元のままである映像(以後、環境存在感減衰映像)を作成する。これらの減衰映像の生成では人やモノの領域の部分を推定する技術が必要となるが、人の領域推定に対しては単眼RGBカメラから複数の人の骨格位置姿勢を検出するFrank mocapを用いる予定であり、モノに対しては既存の一般物体認識ライブラリであるYOLOv4、M2Detを利用する予定である。次に、作成した群衆存在感減衰映像をHMDで被験者に立位または座位の静止状態(首は動かせる)で観察させ、被験者が首を回転させるとそれに合わせて映像が変化する雑踏環境をVRで再現するものを構築する。そして、ユーザスタディとして、このような実験環境において視覚的ノイズ減衰処理の強度ごとにアンケートを行うことで、減衰強度と雑踏の人々から来る不快感の関係を測定する。また、この時に計算問題や文章を読ませる読解のタスクを実験条件として追加することで、そのパフォーマンスを測定し、群衆の存在感の減衰によって、集中力にどの程度影響があるかを測定する予定である。 さらにVR酔を改善するシステムの効果測定も行う予定である。
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