研究課題/領域番号 |
23K21692
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補助金の研究課題番号 |
21H03490 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊藤 公人 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 教授 (60396314)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 集団遺伝学 / 統計的機械学習 / 感染症疫学 / 機械学習 / SARS-CoV-2 / インフルエンザ / 相対実効再生産数 / 変異株 / 流行予測 / 世代時間 / デルタ株 / オミクロン株 / COVID-19 |
研究開始時の研究の概要 |
現在,新型コロナウイルスをはじめとする様々な感染症について,ウイルスのゲノム情報と感染者の疫学情報が急速に蓄積されている。集団遺伝学では,集団内の遺伝子の多様性により,集団内サイズの変化を推定する。一方,感染症疫学では,感染者数の時系列変化を基に再生産数を推定する。本研究では,集団遺伝学モデルと疫学モデルを融合し,変異ウイルスの集団に占める割合の時間変動をモデル化する。実際に観測される遺伝子データと疫学データを統計的機械学習により解析し,変異株の割合がどのように変化するかを予測する。予測した変異株の割合と観測データを比較し,予測の精度を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では,遺伝子の多様性を表す集団遺伝学モデルに感染者数を表す疫学モデルを組み込み,ウイルスの多様性から感染者数や変異ウイルスの割合の時間変動を推定する手法を開発し,実際に観測される遺伝子データと疫学データを統計的機械学習により解析し,データ同化の手法を用いて感染者数や変異株の割合がどのように変化するかをリアルタイムに予測するとともに,予測の精度を検証することを目的としている。 2021年度までに変異株の従来株に対する相対実効再生産数を計算し,従来株から変異株への置き換わりを予測する手法を開発した。2022年度は,本手法を英国でのアルファ株からデルタ株への置き換わりのデータに適用し,変異株の流行初期のデータからどの程度正確な予測が可能であるか検証した。その結果,デルタ株の相対頻度が0.15に達した時点で(デルタ株の相対頻度が0.90に達する一カ月前に),アルファ株に対するデルタ株の相対再生産数および相対頻度の時系列推移を正確に予測できることを明らかにした(Viruses, 2022)。また,同手法を相対実効再生産数のみならず相対的な世代時間も推定できるように拡張し,デンマークのデータを用いてオミクロン株の世代時間がデルタ株のそれに比べて0.49 倍(95%信頼区間0.46-0.51倍)であることを明らかにした(Math Biosci Eng, 2022)。これらの結果に基づき,国内における変異株の割合の推移をリアルタイムに予測し,厚生労働省アドバイザリーボードに計9回報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SARS-CoV-2の変異株の割合がどのように変化するかをリアルタイムに予測する手法を確立し,各国のデータを用いて検証している。
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今後の研究の推進方策 |
現在のモデルでは,変異株間の相対実効再生算数が一定と仮定している。この仮定を緩め,免疫保有者の割合により相対実効再生産数が異なることを許す数理モデルを構築する。
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