研究課題/領域番号 |
23K21693
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補助金の研究課題番号 |
21H03492 (2021-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2021-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
船水 章大 東京大学, 定量生命科学研究所, 講師 (20724397)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 強化学習 / 知覚意思決定 / 光遺伝学 / イメージング / マウス / 習慣行動 / 目的志向行動 / 神経活動計測 / 行動戦略 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトや動物は,ひとつの状況に対しても複数の行動戦略を用意し,その戦略を使い分ける.本研究は,戦略切り替えの神経回路基盤を,機械学習と神経科学を統合した学際的手法で解明する.具体的には,マウスの行動実験や神経活動操作と計測,AIによる行動モデル化を用いる.本研究の達成は,脳の柔軟な適応行動の神経基盤解明につながる.将来は,柔軟な行動選択が阻害される精神疾患の基礎的理解や,脳型人工知能の構築に貢献する. (研究の概要は、前年度から変更ありません)
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研究実績の概要 |
ヒトや動物は,ひとつの状況に対して複数の行動戦略を用意し,その戦略を使い分ける.本研究は,戦略切り替えの神経回路基盤を,神経科学と機械学習を統合した学際的手法で解明する.まず,これまでの研究の継続で,マウスの行動課題を実施した.同課題は,音周波数の遷移確率pを操作することで,習慣行動・目的志向行動を分離できる.本研究は,p=0.8に設定した交互条件 (alternating condition) と,p=0.2の連続条件 (repeating condition) を,別々の野生型マウスで実施した. 行動課題時の各マウスで,神経活動を電気生理学的に計測した.Neuropixels1.0を用いた.この計測では,眼窩前頭皮質・運動野・線条体・頭頂葉・海馬・聴覚野の神経活動を大規模計測した.1日の計測で,1または2領野から神経活動を計測した. 行動モデル化の結果,行動課題の交互条件・連続条件でのマウスの選択行動は,それぞれ,モデルフリー戦略・状態推定戦略に適合することを発見した.神経活動計測の結果,上記の6領野のほぼ全てが,両戦略の報酬予測を表現した.これらの結果は,少なくとも行動戦略の過学習の段階では,脳の複数領野がモデルフリー戦略・状態推定戦略を表現することを示唆する. これらの行動実験,行動モデル化,神経活動計測と解析で,プレプリントを発表した (bioRxiv).現在,国際的な学術雑誌に成果を投稿中である.
また,行動課題時のマウスで,眼窩前頭皮質の光抑制実験を行った.同実験では,GtACR2を発現したアデノ随伴ウイルスを,眼窩前頭皮質に注入した.予備実験の結果,交互条件・連続条件でともに,光抑制で,適切な行動バイアスの獲得が遅れることがわかった.今後も実験を継続する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの行動課題時に,神経活動の大規模計測を実施した.神経活動解析の結果と,行動実験・行動モデリングを統合し,プレプリントを発表した.一方で,光抑制の実験は遅れている.これらを統合し,おおむね順調とした.
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今後の研究の推進方策 |
プレプリントでまとめた成果を,国際的な学術雑誌に発表する.同時に,神経活動抑制の実験を進める.さらに,人工神経回路網での行動選択モデル化を進める.人工神経回路網の人工素子の活動と,マウスの神経細胞の活動を比較する.得られた成果をまとめ,国際的な学術雑誌に投稿する.
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